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半七捕物帳 お文の魂の表紙

半七捕物帳 お文の魂

原作: 半七捕物帳 01 お文の魂 / 著者: 岡本綺堂

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約12分・40ページ

元治元年の江戸。旗本の妻お道の枕もとに、夜ごと濡れた女の幽霊が現れるという。三つの娘も「ふみが来た」と叫ぶ怪事件に、神田の岡っ引・半七が挑む。捕物帳の元祖、岡本綺堂「半七捕物帳」第一作を漫画化。

2026-10-17読切短編

『半七捕物帳 01 お文の魂』のあらすじ

結末まで書いています(ネタバレを含みます)

簡単なあらすじ

旗本の妻お道は、枕もとに濡れた女の幽霊が出ると訴え、離縁を願う。池や井戸をさらっても手がかりはない。Kのおじさんに相談された岡っ引の半七は、貸本屋の草双紙と菩提寺の住職に目をつける。幽霊の話はお道の作り話で、住職の不吉な予言を信じた母が娘を守ろうとしたものだった。

詳しいあらすじ(場面ごと)

  1. 1.雨の夜の約束

    明治のある雨の夜、少年の「わたし」はKのおじさんの家を訪ね、長年気になっていた「おふみの一件」を聞かせてもらう。おじさんは、自分が二十歳だった元治元年の話を語り始める。

  2. 2.お道の訴え

    旗本・松村彦太郎の妹お道は、娘のお春を連れて実家に戻り、小幡家から暇を貰いたいと言い出す。兄に問い詰められて、枕もとに毎晩濡れた若い女が現れ、お春も「ふみが来た」と叫ぶのだと打ち明ける。

  3. 3.小幡家の詮議

    松村は夫の小幡伊織を訪ねる。はじめは笑っていた小幡も詮議を始め、古池や井戸をさらうが、鮒や鯉、赤い泥鰌のほかは何も出ない。次の間に隠れて見張った夜、お春は再び叫ぶが、二人の目には何も見えなかった。

  4. 4.半七の問い

    噂を聞いたKのおじさんは探索を引き受け、音羽の請宿・堺屋の帳面を調べるが、おふみの名は見つからない。そこへ現れた岡っ引の半七は、屋敷で草双紙を読むか、菩提寺はどこかと尋ね、事件を引き受ける。

  5. 5.草双紙と住職

    半七は貸本屋の田島屋で、二月に小幡家へ貸した「新編うす墨草紙」を見つける。その挿絵には、池に沈められた腰元の幽霊が濡れた姿で描かれていた。二人が下谷の浄円寺を訪ねると、住職は青くなって震え、手厚くもてなした。

  6. 6.母の作り話

    報告を受けた小幡に問い詰められ、お道は打ち明ける。浄円寺の住職に、夫といると母子ともに災いに遭うと言われて悩んでいた。雛を片付けた日に草双紙の絵でお春を怖がらせたところ、お春が夜に「ふみが来た」と叫ぶようになり、それを口実に怪談をこしらえて家を出ようとしたのだった。

  7. 7.追善供養

    小幡はお道を許し、表向きはお文の魂の追善供養を営んで騒ぎを収める。半年後、浄円寺の住職は女犯の罪で寺社方に捕らえられた。おじさんは話の秘密を守るよう語り手に言い、語り手はのちに老いた半七と知り合う。

あらすじで流れをつかんだら、場面を漫画で確かめてみませんか。登録不要・無料です。

漫画で読む
半七捕物帳 お文の魂 2ページ
試し読み・2ページ

まずは1ページ試し読み

わたしの叔父は江戸の末期に生まれた人で、化け物の話などを始めると、いつも苦い顔をした。

しかし世の中には解らないことがある。あのおふみの一件なぞは……

おふみの一件が何であるかは、誰も知らなかった。

この読切は全40ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。

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STORY GUIDE

作品ガイド

結末に触れない紹介です

ネタバレなしの詳しいあらすじ

明治のある雨の夜、少年の「わたし」は、Kのおじさんから長年気になっていた「おふみの一件」を聞かせてもらう。話は元治元年の江戸にさかのぼる。番町の旗本・松村彦太郎のもとへ、小幡家に嫁いだ妹のお道が三つの娘お春を連れて現れ、もう小幡の屋敷にはいられないから暇を貰ってほしいと言い出す。問い詰められたお道が明かしたのは、雛を片付けた晩から毎夜、枕もとに頭から着物までびしょ濡れの若い女が現れ、手をついてうずくまるという話だった。そのたびにお春も「ふみが来た」と叫ぶ。夫の小幡伊織は古池や井戸をさらい、松村と次の間に隠れて見張るが、二人の目には何も見えない。やがて屋敷に幽霊が出るという噂が広まり、旗本の次男で閑をもてあます若き日のKのおじさんが探索を引き受ける。手がかりを求めて請宿の古い帳面を繰っていたおじさんの前に現れたのが、神田の岡っ引・半七だった。半七は思いもよらない問いを重ねていく。捕物帳の第一作を、全40ページで描く。

時代背景

青空文庫の図書カードによれば、初出は雑誌『文藝倶楽部』大正6(1917)年1月号で、半七捕物帳シリーズの第一作。物語は元治元年(1864)三月の江戸、番町・小石川西江戸川端・音羽・下谷を舞台にし、明治の雨の夜にKのおじさんが語る枠物語になっている。本漫画は幕末の武家屋敷と町並み、明治の石油ランプの座敷を描いた。屋敷の間取りや人物の顔立ち、当時の既婚女性の鉄漿を描かない点は翻案上の表現である。

テーマ

観察と推理語りの信頼性母子信仰と疑い

注目点

  • 濡れた女の幽霊、古池の掻掘、次の間での見張りと、怪談仕立ての前半が緊張を高める。
  • 半七が投げかける思いがけない問いの数々を、表情の大きなコマで追う。
  • 請宿の古い帳面や貸本屋の草双紙など、江戸の暮らしの小道具が謎解きの手がかりになる。
  • 明治の雨の夜の語りと、元治元年の江戸の出来事を、色調を変えて行き来する。
  • シャーロック・ホームズに触発された岡本綺堂の、捕物帳の始まりを味わえる。

主な登場人物

元治元年の江戸。旗本の妻お道は、夜ごと枕もとに現れる濡れた女の幽霊におびえ、離縁を願い出る。幼い娘も「ふみが来た」と叫ぶ。その正体を神田の岡っ引・半七が追う、捕物帳の第一作を漫画化。

半七
神田の岡っ引で、仲間内でも腕利きとして知られる。四十二、三の痩せぎすの男で、縞の着物に縞の羽織。正直で親切な江戸っ子で、表情に富んだ眼を持つ。
Kのおじさん
語り手「わたし」が子どもの頃から慕う人物。元治元年には二十歳の旗本の次男で、閑をもてあましていたことから幽霊騒ぎの探索を引き受ける。明治には役所勤めをしている。
お道
旗本・松村彦太郎の妹で、四年前に小幡伊織に嫁いだ二十一歳。枕もとに現れる濡れた女におびえ、娘を連れて兄のもとへ逃げてくる。
お春
お道と小幡伊織の娘で、三つ。夜中に「ふみが来た」と叫んで泣き出す。
松村彦太郎
番町に屋敷を持つ三百石の旗本で、お道の兄。蘭学ができ、外国掛に出仕している。妹の訴えを確かめに小幡の屋敷へ向かう。
小幡伊織
小石川西江戸川端に屋敷を持つ旗本で、お道の夫。二十八歳。正直で物柔らかな人物で、はじめは幽霊の話を笑って取り合わない。
浄円寺の住職
下谷にある小幡家の菩提寺・浄円寺の住職。四十前後で色が白く、髯のあとが青い。
わたし
物語の語り手。少年の頃、雨の夜にKのおじさんから「おふみの一件」を聞かされる。のちに老いた半七と知り合う。

『半七捕物帳 01 お文の魂』のよくある疑問

結末には触れていません

お文の魂はどんな話?(簡単に)

元治元年の江戸で、旗本の妻お道が、枕もとに濡れた女の幽霊が出ると訴えて離縁を願います。娘のお春も「ふみが来た」と叫び、夫や兄が調べても手がかりはありません。探索を引き受けたKのおじさんが岡っ引の半七に相談し、半七がいくつかの問いから幽霊の正体に迫ります。

原文「ふみが来た。ふみが来た」
漫画の10ページでこの場面を漫画で見る

「半七捕物帳」とはどんな作品ですか?

岡本綺堂が江戸の岡っ引・半七の手柄話として書いた探偵小説のシリーズで、「お文の魂」はその第一作です。1917(大正6)年1月の『文藝倶楽部』に掲載され、その後約20年にわたって書き継がれました。捕物帳という分野の先駆けとされています。

物語はいつ、どこが舞台ですか?

事件は元治元年(1864)三月の江戸で、京都で蛤御門のいくさがあった年です。番町の松村の屋敷、小石川西江戸川端の小幡の屋敷、音羽の請宿や貸本屋、下谷の浄円寺などが出てきます。その話を、明治になってKのおじさんが雨の夜に語り聞かせる形になっています。

岡っ引とは何ですか?

江戸で町奉行所の同心などの手先として犯罪の探索や捕縛を手伝った町人のことです。作中の半七は神田に住む岡っ引で、御用をかさに着て弱い者をいじめることのない、正直な男として紹介されます。

『半七捕物帳 01 お文の魂』の作者は誰?

岡本綺堂(1872〜1939年)です。

『半七捕物帳 01 お文の魂』はいつ発表された?

初出は『文藝倶楽部』大正6(1917)年1月号です。

原文(全文)はどこで読める?

著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。

漫画は何分で読める?

読切の40ページで、約12分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。

結末・名場面の解説ネタバレを含みます。漫画を読み終えてから開くのがおすすめです

幽霊の正体は何でしたか?

濡れた女の幽霊は、お道が貸本屋から借りた草双紙「新編うす墨草紙」の挿絵の腰元でした。その絵をお春に見せて怖がらせたため、お春が夜に「ふみが来た」と叫ぶようになりました。お道はそれを利用して、自分にも幽霊が見えるという話をこしらえたのです。

原文「その幽霊が物凄く描いてあった」
漫画の27ページでこの場面を漫画で見る

お道はなぜ嘘の怪談をつくったのですか?

菩提寺・浄円寺の住職に、あなたは相が悪く、夫といると命にかかわる災いが来て、娘にも災難が落ちるかもしれないと言われたからです。娘を守るには夫の家を去るほかないと思い詰め、お春の叫びを口実に怪談をこしらえました。

原文「どうもあなたは御相がよろしくない」
漫画の33ページでこの場面を漫画で見る

物語の最後はどう終わりますか?

小幡はおじさんの取りなしでお道を許し、表向きはお文の魂の追善供養を営んで騒ぎを収めます。秘密を知らない松村は不思議な話として人に語り、半年後に住職は捕らえられました。語り手はのちに老いた半七と知り合い、彼を江戸時代の隠れたシャアロック・ホームズと呼びます。

原文「彼は江戸時代に於ける隠れたシャアロック・ホームズであった」
漫画の39ページでこの場面を漫画で見る

作者・岡本綺堂について

1872〜1939年

東京・芝高輪生まれの劇作家・小説家で、本名は敬二。新聞記者として劇評を書きながら戯曲を手がけ、『修禅寺物語』で新歌舞伎の人気作家になりました。シャーロック・ホームズの物語に触発されて『半七捕物帳』を書き始め、捕物帳の先駆けとなりました。

主な作品:半七捕物帳、修禅寺物語、番町皿屋敷、鳥辺山心中

岡本綺堂の漫画をすべて見る(1作品)

『半七捕物帳 01 お文の魂』の舞台

  • 番町おおよその位置

    場所は番町で、その頃には江戸時代の形見という武家屋敷の古い建物がまだ取払われずに残っていて

    語り手がKのおじさんから話を聞く家と、お道の兄・松村彦太郎の屋敷がある武家屋敷町です。原作は屋敷の位置を特定していないため、千代田区の番町一帯の概略の位置を示しています。

  • 音羽おおよその位置

    請宿は音羽の堺屋というのが代々の出入りであった。

    Kのおじさんが請宿・堺屋の古い帳面を調べ、半七と出会う町です。貸本屋の田島屋も音羽にあります。店は作中のもので、文京区音羽一帯の概略の位置を示しています。

青空文庫・原作情報

原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。

確認済み
原作名
半七捕物帳 01 お文の魂
著者名
岡本綺堂
底本
「時代推理小説 半七捕物帳(一)」光文社文庫、光文社(1985年11月20日初版1刷、1997年3月25日20刷)
初出
『文藝倶楽部』大正6(1917)年1月号
入力者
A.Morimine
校正者
原田頌子
著作権・利用条件
岡本綺堂(1872–1939)の原作は、日本国内で著作権の保護期間が満了しています。青空文庫公開本文を底本として翻案しました。
漫画化に使用した版
青空文庫「半七捕物帳 01 お文の魂」(新字新仮名、作品ID 1293)2012年5月25日修正版。底本「時代推理小説 半七捕物帳(一)」光文社文庫、光文社(1985年11月20日初版1刷/1997年3月25日20刷)。入力:A.Morimine、校正:原田頌子。
AI生成・編集方針
本漫画は青空文庫のテキスト内容をもとに生成AIを用いて制作しています。作中の描写には、時代考証や原作解釈に不正確な点が含まれる場合があります。あらかじめご了承ください。 台詞は原文の言い回しを残し、難読の漢字の一部はかなで表記しています。

作者の案内

岡本綺堂の案内キャラクター(イラスト)

AI が作成した案内キャラクターで、本人の発言ではありません

「私は岡本綺堂。東京の芝高輪の生まれで、本名は敬二といいます。新聞記者をしながら芝居を書き、『修禅寺物語』で世に出ました。ホームズの物語に触発されて、江戸の岡っ引・半七の話を書き始めました。」

「わたしの叔父は江戸の末期に生まれたので」——『半七捕物帳 お文の魂』原文より

「『お文の魂』をどうぞ。旗本屋敷に出るという濡れた女の幽霊の噂を、神田の岡っ引・半七が追います。」『半七捕物帳 お文の魂』へ

つながり:ドイル アーサー・コナン(半七捕物帳のきっかけ)

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