
なめとこ山の熊
宮沢賢治


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
雪が大理石より堅く凍った昼、四郎とかん子は、森から現れた白い子狐・紺三郎と歌を交わします。狐は人をだますという村の評判を聞いた紺三郎は、それは濡れ衣だとまっすぐに訴え、次の堅雪の月夜に開かれる狐小学校の幻燈会へ兄妹を招きます。鏡餅を手土産に青い月光の森へ入った二人を待つのは、白幕、足踏みの歌、人間と狐の失敗を映す奇妙な幻燈、そして休憩に差し出される黍団子。兄妹は、目の前の友を信じるか、昔からの噂を信じるかという小さく大きな選択に向き合います。銀の雪、真珠の月、琥珀色の投影光を行き来しながら、言葉のリズムと子どもの勇気で異なる世界の距離がほどけていく幻想童話です。
原作は雑誌『愛国婦人』の1921(大正10)年12月号と1922(大正11)年1月号に掲載された、宮沢賢治の生前発表童話です。物語の場所と年代は明記されません。本漫画は初出期を視覚基準に、原文の雪沓、黍、柏、木の枝に掛けた白幕、幻燈を手がかりとして、1920年代初頭の北国農村を思わせる衣服と道具で視覚化しています。
宮沢賢治が生前に雑誌「愛国婦人」へ発表した童話「雪渡り」の漫画版です。堅雪の上を歩く兄妹、四郎とかん子が、子狐の紺三郎に招かれて狐小学校の幻燈会へ向かいます。
結末には触れていません
雪が堅く凍った日に子どもたちが口ずさむはやし言葉で、作品の中で繰り返されます。賢治らしい言葉のリズムが楽しめる場面です。
酒を飲んで失敗する人間や、わなや火で失敗する狐の姿など、人間と狐の双方のしくじりを映した幻燈が上映されます。
宮沢賢治(1896〜1933年)です。
初出は「愛国婦人」1921(大正10)年12月号、1922(大正11)年1月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の20ページで、約6分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
狐の差し出す黍団子を、兄妹は狐を信じて食べます。狐の子どもたちはそれに感激し、「大人になっても、うそをつかず、人をそねまず」と誓って、狐の悪い評判をなくしてほしいと兄妹に願います。噂より目の前の友を信じる選択が、物語の中心です。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。