
雪渡り
宮沢賢治


猫の第六事務所では、猫の歴史と地理を調べていました。
一番書記は白猫、二番は虎猫、三番は三毛猫、四番はかま猫でした。
この読切は全22ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
軽便鉄道の停車場近くにある猫の第六事務所では、猫の歴史と地理を調べる四匹の書記が働いています。末席のかま猫は、寒さをしのぐためかまどで眠り、鼻と耳を煤で黒くしたことから仲間に嫌われながらも、四十匹の中から選ばれた勤勉な書記です。原簿を読みこなし、誰かを助けようと懸命に働く彼ですが、その善意は虎猫や三毛猫に曲解され、ささいな出来事と噂が職場の空気を少しずつ変えていきます。短い前足が招く可笑しさと、机の距離や視線が生む冷たさを重ね、偏見と権威の危うさを描く動物寓話です。
原作は1926(大正15)年3月、尾形亀之助編集の雑誌『月曜』第1巻第3号に発表された宮沢賢治の生前発表童話です。物語の舞台は軽便鉄道の停車場近くにある架空の官衙。本漫画では原文の黒い繻子の服、紙の原簿、筆、アルミニウム弁当箱を手がかりに、大正末期の北国の木造事務所を思わせる視覚設定へ翻案しています。
宮沢賢治が1926年に雑誌「月曜」へ発表した童話「猫の事務所」の漫画版です。猫の歴史と地理を調べる事務所で、かまどで眠るため煤で汚れた「かま猫」が、仲間の書記たちからいじめられます。
結末には触れていません
原作には「……ある小さな官衙に関する幻想……」という副題があります。官衙は役所のことで、猫の事務所を通して役所や職場の人間関係が風刺されています。
偏見と噂が職場の空気を変え、一人をのけ者にしていく危うさです。かま猫の懸命さと、机の距離や視線が生む冷たさが対比されます。
宮沢賢治(1896〜1933年)です。
初出は雑誌『月曜』第1巻第3号、1926(大正15)年3月1日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の22ページで、約7分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
仕事を奪われたかま猫が泣き続けていると、窓から獅子がのぞき、「お前たちは何をしている。そんなことなら、地理も歴史もいらない。やめてしまえ」と解散を命じます。事務所は廃止になり、語り手は「僕は半分獅子に同感です」と結びます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。