
風博士
坂口安吾


人は花の下で陽気になる。
だが昔、桜の下は怖しいものだった。
鈴鹿峠にも、そんな桜の森があった。
この読切は全24ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
鈴鹿峠の山で暮らす山賊は、満開の桜の森だけを理由もなく恐れています。ある日、都から来た美しい女を妻にしますが、女の望みは次第に彼の暮らしと心を支配します。山を離れて都へ移っても、手に入れたはずの愛は満たされません。美しさ、欲望、孤独が桜の下で同じ顔を見せる幻想譚です。
原作は坂口安吾が近代から戦後の価値観の揺らぎを背景に書いた短編です。常識や美しさの裏側にある欲望、孤独、疑念を、原作の皮肉と幻想性を残して漫画化しています。戦後間もない時期に、昔話めいた山賊譚を通して文明と孤独を描いた幻想短編です。
坂口安吾の代表作「桜の森の満開の下」(1947年)の漫画版です。鈴鹿峠に住む山賊が、美しくも残酷な女を妻にし、都へ移り住んで女の欲望に仕えるうち、満開の桜の森に抱いていた恐れと向き合います。
結末には触れていません
作品の冒頭で、昔は桜の花の下は恐ろしいと思われていた、と語られます。満開の桜の下の静けさと冷たい風が、山賊の心に得体の知れない恐れを呼び起こします。
美しさと残酷さ、孤独と愛が分かちがたく結びついた幻想的な物語です。安吾の「文学のふるさと」という考えが表れた作品として読まれています。
坂口安吾(1906〜1955年)です。
初出は「肉体 第一巻第一号」暁社、1947(昭和22)年6月15日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の24ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
都の暮らしに倦んだ山賊は、女を背負って山へ帰る途中、満開の桜の森を通ります。すると背中の女が鬼に変わって首を絞めてきたため、男は夢中で絞め殺してしまいます。我に返ると、それは女の死体でした。男が花びらを払おうとすると、女の姿は花びらになって消え、男自身も消えて、あとには花びらと冷たい虚空が残るばかりでした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。