
風博士
坂口安吾


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
花山院の御時、恋に生きる紫大納言は、嵐の山道で月の姫の小笛を拾います。笛を返してほしいと現れた天女に心を奪われた彼は、約束と欲望の間で判断を誤っていきます。盗賊、山の童子、不気味な笑いが行く手に現れ、手に入れたはずの宝は彼を落ち着かせません。平安の雅と山の怪異が交わる幻想伝奇です。
原作は坂口安吾が近代から戦後の価値観の揺らぎを背景に書いた短編です。常識や美しさの裏側にある欲望、孤独、疑念を、原作の皮肉と幻想性を残して漫画化しています。平安朝の貴族と天女伝説を借り、欲望に翻弄される人間を戦前期の幻想文学として描いています。
坂口安吾が1939年に発表した短編「紫大納言」の漫画版です。花山院の時代、恋に生きる紫大納言が嵐の山道で天女の小笛を拾い、約束と欲望の間で判断を誤っていく平安幻想譚です。
結末には触れていません
平安の雅な恋と、山の怪異や不気味な笑いが交わる幻想伝奇です。安吾の説話風の作品の一つです。
天女が天へ帰るために必要な笛です。返してほしいと願う天女と、手放したくない大納言の欲望が物語を動かします。
坂口安吾(1906〜1955年)です。
初出は1939年『文体』発表。1941年4月20日『炉辺夜話集』収録です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の24ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
大納言は天女との約束を守れず、笛を失ったまま山をさまよいます。せめて一目会いたいと水に顔を映すと、そこには赤い口を開いた顔があるばかりでした。どうしてよいか分からなくなった大納言は、一掬の水となって流れていってしまいます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。