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十三夜の表紙

十三夜

原作: 十三夜 / 著者: 樋口一葉

無料で読む

約11分・36ページ

旧暦九月十三日の夜、嫁いで七年のお関が、ひとりで実家の格子戸の前に立つ。離縁を願う娘と、それを受け止める父母。帰り道の人力車で待つ思いがけない再会まで、樋口一葉の短編を漫画化。

2026-10-16読切短編

『十三夜』のあらすじ

結末まで書いています(ネタバレを含みます)

簡単なあらすじ

十三夜の晩、お関は実家に帰り、夫・原田勇の冷遇に耐えかねて離縁を願う。母は憤るが、父は太郎と弟の将来を思い、原田の妻として泣けと諭す。お関は承知して車で帰るが、その車夫は落ちぶれた幼なじみの録之助だった。二人は広小路まで歩き、別れていく。

詳しいあらすじ(場面ごと)

  1. 1.格子戸の前で

    旧暦九月十三日の夜、お関は車を返して実家の前に立つ。喜ぶ父の声を聞き、離縁を言い出す決心が揺らぐ。両親は娘を迎え入れ、亥之助の昇給や月見の団子の話をする。

  2. 2.離縁の願い

    夜も十時近くになり、お関はついに願いを打ち明ける。太郎を寝かしつけて家を出てきたこと、夫に「教育のない身」と蔑まれ、太郎の乳母のように扱われてきたことを語り、離縁状を取ってほしいと頼む。

  3. 3.母の憤り、父の説得

    母は、望まれて嫁いだ娘をなぜそこまで扱うのかと憤る。父は、離縁すれば太郎とは二度と会えず、亥之助の勤めも原田の世話であると説き、同じく泣くなら原田の妻として泣けと諭す。

  4. 4.今宵限り

    お関は離縁の願いを我儘だったと言い、今夜を限りに自分の思いを捨てて太郎を守ると決める。母は泣き崩れ、お関は次は笑って来ると言い残して、門前の車に乗る。

  5. 5.上野の車夫

    上野の山にさしかかったところで、車夫は急に車を止め、もう引くのが嫌になったと言う。提燈の明かりで顔を見ると、それは小川町の烟草屋の息子、高坂録之助だった。

  6. 6.東へ、南へ

    録之助は放蕩の末に家も妻子も失い、安宿に暮らしていると語る。お関は車には乗らず広小路まで並んで歩き、紙に包んだ金を渡して別れる。録之助は東へ、お関は南へと帰っていく。

あらすじで流れをつかんだら、場面を漫画で確かめてみませんか。登録不要・無料です。

漫画で読む
十三夜 2ページ
試し読み・2ページ

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明治の東京。旧暦九月十三日の夜。

いつもは威勢のよい黒塗りの車で帰る娘が、今宵はひとり、格子戸の外に立っていた。

いわば私も福人の一人。ありがたい事だ。

この読切は全36ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。

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STORY GUIDE

作品ガイド

結末に触れない紹介です

ネタバレなしの詳しいあらすじ

明治の東京。旧暦九月十三日の月見の夜、上野の新坂下に暮らす斎藤家の格子戸の前に、娘のお関がひとりで立つ。いつもは黒塗りの車で帰る奏任官・原田勇の妻が、今宵は車を返し、供も連れていない。両親は久しぶりの娘を喜び、弟の亥之助が原田の口添えで昇給したことを語り、月見の団子や栗を勧める。その喜びを前に、お関は胸の内を言い出せずにいた。七年のあいだ一度もなかった夜更けの訪問には、幼い息子の太郎を寝かしつけて家を出てきた、ある決心が隠されている。夫の冷たい言葉、身分の違い、子への愛情、親と弟の立場。家族それぞれの思いが、月明かりの座敷で静かにぶつかり合う。そして帰り道、上野の山にさしかかった人力車の車夫が、急に梶棒を下ろす。前半の家族の対話と後半の偶然の出会いが一つの夜に重なる、樋口一葉晩年の名短編を、全36ページで描く。

時代背景

青空文庫の書誌では、初出は「文藝倶樂部 閨秀小説號」博文館、1895(明治28)年12月10日。物語は旧暦九月十三日の「後の月」の夜、上野新坂下の実家から上野の山、広小路へと続く明治の東京を舞台にする。本漫画は明治二十年代の東京を視覚上の舞台とし、丸髷と黒縮緬の羽織、人力車、提燈、石油ランプなどを描いた。家屋や原田家の間取り、人物の顔立ちは翻案上の表現である。

テーマ

家族身分差秘めた恋自己犠牲別れ

注目点

  • 月見の団子や栗、置時計、薄といった小道具が、お関の言い出せない思いを映す。
  • 喜ぶ両親の言葉を受け止めるお関の表情を、大きな顔のコマと沈黙のコマで追う。
  • 母の憤りと父の静かな説得、二人の親の向き合い方の違いを描き分ける。
  • 前半の座敷の対話と、後半の月夜の上野の道行きを、色と余白で対比させる。
  • 原文の言い回しを残した台詞で、明治の話し言葉の響きを味わえる。

主な登場人物

十三夜の月見の晩、嫁いで七年のお関がひとりで実家に帰ってくる。喜ぶ両親を前に、彼女はある願いを言い出せずにいた。家族の情と身分の違い、帰り道の再会を描く樋口一葉の短編を漫画化。

お関
斎藤家の娘で、奏任官の原田勇に嫁いで七年。息子の太郎を育てながら、夫の冷たい扱いに耐えてきた。丸髷に黒縮緬の羽織の奥様姿。
父(斎藤主計)
お関の父。暮らしは貧しいが、娘の嫁ぎ先に遠慮して出入りを控えている。落ち着いて娘の話を聞き、家族の行く末を考える。
母
お関の母。十三夜の団子をこしらえて娘を迎える。娘思いで、原田家の扱いを聞くと強く憤る。
原田勇
お関の夫で、奏任官の官吏。お関が十七の正月に見初め、望んで妻に迎えた。今は家で妻に冷たく当たる。
高坂録之助
小川町の烟草屋の一人息子で、お関の幼なじみ。帰り道の場面に登場する。
太郎
お関と原田の幼い息子。母の手でなければ寝つかないほど母を慕っている。

『十三夜』のよくある疑問

結末には触れていません

題名の「十三夜」とは何ですか?

旧暦九月十三日の夜の月見のことで、「後の月」とも呼ばれます。作中では母が月見の団子をこしらえ、十五夜にだけ供えて十三夜に供えない「片月見」は縁起が悪いと話します。物語はこの一夜の出来事として進みます。

お関の夫はどんな身分の人ですか?

原田勇は奏任官の官吏で、作中では「奏任の聟」と呼ばれます。お関の実家は暮らし向きが苦しく、弟の亥之助も原田の口添えで勤め口を得ています。この身分と暮らしの差が、家族の会話の背景にあります。

物語の舞台はどこですか?

お関の実家は上野の新坂下にあり、原田家へ帰るには駿河台へ向かいます。後半の場面は上野の山を抜けて広小路へ出る道で進みます。明治の東京の実在の地名ですが、作中の家々の場所までは特定されていません。

『十三夜』の作者は誰?

樋口一葉(1872〜1896年)です。

『十三夜』はいつ発表された?

初出は「文藝倶樂部 閨秀小説號」博文館、1895(明治28)年12月10日です。

原文(全文)はどこで読める?

著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。

漫画は何分で読める?

読切の36ページで、約11分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。

結末・名場面の解説ネタバレを含みます。漫画を読み終えてから開くのがおすすめです

父はお関にどんな言葉をかけましたか?

離縁すれば太郎は原田家に残り、お関は二度と顔を見に行けなくなると父は説きます。そして、同じ不運に泣くのなら原田の妻として思い切り泣けと諭し、涙は家族それぞれが分け合って泣こうと言います。

原文「同じく不運に泣くほどならば原田の妻で大泣きに泣け」
漫画の22ページでこの場面を漫画で見る

帰り道の車夫は誰でしたか?

上野の山で急に車を止めた車夫は、お関の幼なじみで、小川町の烟草屋の一人息子だった高坂録之助でした。お関の縁談が決まった頃から放蕩を重ね、家も稼業も失って車を引いていました。

原文「貴孃は齋藤の阿關さん」
漫画の27ページでこの場面を漫画で見る

物語の最後はどう終わりますか?

広小路まで並んで歩いた二人は、お関が紙に包んだ金を渡して別れます。録之助は東へ、お関は南へ帰り、安宿の二階にも原田家の奥にも、それぞれの憂いがあるという一文で物語は閉じられます。

原文「其人は東へ、此人は南へ」
漫画の35ページでこの場面を漫画で見る

作者・樋口一葉について

1872〜1896年

東京生まれの小説家で、本名は奈津。半井桃水に小説を学び、本郷の丸山福山町に移った晩年に『十三夜』『にごりえ』『たけくらべ』などを書きました。24歳で亡くなっています。

主な作品:たけくらべ、にごりえ、十三夜、大つごもり

樋口一葉の漫画をすべて見る(1作品)

『十三夜』の舞台

  • 上野広小路おおよその位置

    廣小路に出れば車もあり、阿關は紙入れより紙幣いくらか取出して小菊の紙にしほらしく包みて

    お関と録之助が上野の山から歩いて出て、別れる広小路の目安です。原作は交差点や店を特定していないため、上野一帯の概略の位置を示しています。

青空文庫・原作情報

原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。

確認済み
原作名
十三夜
著者名
樋口一葉
底本
「日本現代文學全集 10 樋口一葉集」講談社(1962年11月19日第1刷、1969年10月1日第5刷)
初出
「文藝倶樂部 閨秀小説號」博文館、1895(明治28)年12月10日
入力者
青空文庫
校正者
米田進、小林繁雄
著作権・利用条件
樋口一葉(1872–1896)の原作は、日本国内で著作権の保護期間が満了しています。青空文庫公開本文を底本として翻案しました。
漫画化に使用した版
青空文庫「十三夜」(旧字旧仮名、作品ID 386)2014年5月11日修正版。底本「日本現代文學全集 10 樋口一葉集」講談社(1962年11月19日第1刷/1969年10月1日第5刷)。入力:青空文庫、校正:米田進、小林繁雄。
AI生成・編集方針
本漫画は青空文庫のテキスト内容をもとに生成AIを用いて制作しています。作中の描写には、時代考証や原作解釈に不正確な点が含まれる場合があります。あらかじめご了承ください。 台詞は原文の言い回しを残しつつ、新字・現代仮名遣いに整えています。

作者の案内

樋口一葉の案内キャラクター(イラスト)

AI が作成した案内キャラクターで、本人の発言ではありません

「私は樋口一葉。東京の生まれで、本名は奈津といいます。半井桃水先生に小説を学び、本郷の丸山福山町で『十三夜』や『たけくらべ』を書きました。」

「今宵は舊暦の十三夜」——『十三夜』原文より

「『十三夜』をどうぞ。月見の晩、ひとりで実家に帰ってきた娘の胸の内を、家族の会話でたどれます。」『十三夜』へ

つながり:森鴎外(『たけくらべ』を絶賛)

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