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奉教人の死の表紙

奉教人の死

原作: 奉教人の死 / 著者: 芥川龍之介

無料で読む

約8分・26ページ

長崎の教会で育てられた、信心深いろおれんぞ。身に覚えのない噂をきっかけに、人々の親しみは疑いへ変わっていきます。祈りを捨てずに生きる姿を通して、信じること、裁くこと、人を救うことを問う物語です。

2026-10-15読切短編

『奉教人の死』のあらすじ

結末まで書いています(ネタバレを含みます)

簡単なあらすじ

長崎の教会で育ったろおれんぞは、傘張の娘の子の父だと疑われ、破門されます。それでも祈りを続け、一年あまり後の大火では娘の幼子を救うため火中へ飛び込みます。娘は疑いのもととなった嘘を告白しますが、救い出されたろおれんぞの命は尽きようとしていました。人々がその尊さを知る最期と、架空の古書を紹介する第二章が、読み手に判断の難しさを残します。

詳しいあらすじ(場面ごと)

  1. 1.教会で育ったろおれんぞ

    御降誕の祭の夜、長崎のさんた・るちやの戸口で助けられたろおれんぞは、教会で養われます。故郷は天国、父は天主と答え、強い信心を持ち、しめおんから弟のように親しまれます。

  2. 2.疑いと詫びの言葉

    三年あまりが過ぎ、傘張の娘との噂が広がります。ろおれんぞは関係を否定しますが、娘の手紙を拾ったしめおんは問い詰めます。疑われる悲しみを訴えたのち、ろおれんぞは詫びの言葉を述べます。何を詫びたのか、しめおんにはわかりませんでした。

  3. 3.破門ののちも続く祈り

    娘の父から、腹の子の父はろおれんぞだと告げられ、ろおれんぞは破門されます。貧しさや熱病に苦しみながらも、青玉の念珠を離さず、夜にはひそかに教会へ祈りに通います。しめおんは生まれた子を抱き、ろおれんぞを思い出します。

  4. 4.火の中へ

    一年あまり後、長崎を大火が襲います。傘張の家に幼子が取り残され、しめおんも強い火勢に退きます。そこへ現れたろおれんぞが、祈りの声を上げて火中へ飛び込みます。周囲にはなお、親子だから助けるのだという思い込みが残っていました。

  5. 5.幼子の救出

    ろおれんぞは幼子を抱いて現れますが、燃えた梁が崩れます。最後の力で投げた幼子は母のもとに助かり、しめおんが再び火へ入って、傷ついたろおれんぞを救い出します。

  6. 6.娘の懺悔

    娘は伴天連と人々の前で、子の父は隣家の異教徒の若者だと明かします。ろおれんぞに思いが届かない恨みから嘘をついたのでした。伴天連は悔い改める者を人が罰するべきではないと語ります。

  7. 7.知られた真実と最期

    ろおれんぞが女性であることが明らかになり、人々はその周りに跪きます。伴天連の祈りの中、ろおれんぞは安らかなほほ笑みを残して息を引き取ります。語り手は、その最期を知ることが一生を知ることではないかと問いかけます。

  8. 8.古い本をめぐる第二章

    第二章では、語り手が長崎耶蘇会出版の「れげんだ・おうれあ」からこの話を採ったと説明します。これは実在の典拠の報告ではなく、古書の体裁や刊年まで詳しく記す、小説の枠組みです。漫画でも本を紹介する短い場面を置いています。

あらすじで流れをつかんだら、場面を漫画で確かめてみませんか。登録不要・無料です。

漫画で読む
全1話 奉教人の死 2ページ
試し読み・2ページ

まずは1ページ試し読み

長崎。さんた・るちやの教会。

御降誕の祭の夜、戸口にひとり倒れていた。

中へ。火にあたりなさい。

この読切は全26ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。

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STORY GUIDE

作品ガイド

結末に触れない紹介です

ネタバレなしの詳しいあらすじ

長崎のさんた・るちやの教会に拾われたろおれんぞは、青い念珠を手に、深い信心を持って育ちます。力の強いしめおんとも兄弟のように親しく過ごしていました。ところが傘張の娘との噂が広がり、身に覚えのない疑いを向けられたことで、教会の人々の態度は変わっていきます。孤独の中でも祈りを続けるろおれんぞ。その前に、町を焼く大火が迫ります。淡い色彩と静かな表情で、信仰、偏見、そして他者を救う行いを描く一話完結の漫画です。

時代背景

1918(大正7)年9月の「三田文学」に発表された、芥川龍之介のキリシタン物の一作です。昔の長崎を舞台に、当時のキリスト教用語を交えた語り口で描かれます。物語の正確な年代は示されていません。漫画の町並みや衣装は、原文から着想した表現であり、特定の教会や大火の復元ではありません。

テーマ

信仰偏見罪と救い自己犠牲

注目点

  • 人々の親しみが疑いへ変わる過程と、ろおれんぞの沈黙。
  • 青い念珠と夜の祈りを軸にした、静かな画面の連なり。
  • 大火の場面で交わる、人を裁く言葉と人を救おうとする行動。

主な登場人物

長崎の教会で育てられた、信心深いろおれんぞ。身に覚えのない噂をきっかけに、人々の親しみは疑いへ変わっていきます。祈りを捨てずに生きる姿を通して、信じること、裁くこと、人を救うことを問う物語です。

ろおれんぞ
長崎の教会の戸口で助けられ、寺中で育てられた人物。故郷を天国、父を天主と答え、青玉の念珠を手首にかけている。
しめおん
もとは大名に仕えていた、力の強い法兄弟。ろおれんぞを弟のように親しく思っている。
伴天連
さんた・るちやの教会でろおれんぞを養い、その信心を見守る白ひげの司祭。
傘張の娘
父とともに教会へ通い、ろおれんぞに心を寄せる娘。彼女をめぐる噂が人々の間に広がる。
傘張の翁
教会を信仰する傘張の職人で、娘の父。娘の身を案じ、のちには生まれた孫をかわいがる。

『奉教人の死』のよくある疑問

結末には触れていません

ろおれんぞは自分の素性をどう語る?

ろおれんぞは、故郷は「はらいそ」、父の名は「でうす」と答えます。原文では天国と天主の意味が示され、身の上の詳しい事情は明かされません。漫画では青い念珠とともに、この答えを描いています。

原文「故郷は「はらいそ」(天国)父の名は「でうす」(天主)」
漫画の3ページでこの場面を漫画で見る

題名の「奉教人」とは?

この作品では、天主の教えを信じるキリスト教徒を指します。教会に集まる人々の信仰と、同じ仲間に向ける疑いが、物語の大切な対照になっています。

「はらいそ」「でうす」「こんたつ」は何のこと?

原文では、それぞれ天国、天主、念珠という説明が添えられています。漫画では読める長さの言葉に言い換えながら、祈りと青い念珠を繰り返し描いています。

作中の教会や火事は実在した?

舞台の長崎は実在しますが、作品から教会の所在地や大火の年代を特定することはできません。第二章には古い本を紹介する形の文章が続きますが、その本の紹介も含めた小説の仕掛けとして読む必要があります。

『奉教人の死』の作者は誰?

芥川龍之介(1892〜1927年)です。

『奉教人の死』はいつ発表された?

初出は「三田文学」1918(大正7)年9月です。

原文(全文)はどこで読める?

著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。

漫画は何分で読める?

読切の26ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。

結末・名場面の解説ネタバレを含みます。漫画を読み終えてから開くのがおすすめです

娘はなぜ嘘をついたのか?

娘はろおれんぞを恋い慕っていましたが、つれなくされたと感じ、恨みから自分の子の父だと偽りました。大火から子を救われた後、人々の前で本当の父は隣家の若者だと告白します。

原文「腹の子を『ろおれんぞ』様の種と申し偽り」
漫画の21ページでこの場面を漫画で見る

ろおれんぞの最期はどう描かれる?

人々が周りに跪き、伴天連が祈る中、ろおれんぞは安らかなほほ笑みを残して息を引き取ります。語り手は、一生の詳しい事情よりも、その最期に人々が受けた感動に目を向けます。

原文「安らかなほほ笑みを唇に止めたまま、静に息が絶えたのでござる。」
漫画の24ページでこの場面を漫画で見る

「れげんだ・おうれあ」という本の説明にはどんな役割がある?

第二章は、長崎で出版されたという古書の体裁や年代を細かく説明し、物語が記録から採られたかのように見せます。この長崎版の古書は小説の中の設定です。西欧の『黄金伝説』そのものが存在しないという意味ではありません。

原文「予が所蔵に関る、長崎耶蘇会出版の一書、題して「れげんだ・おうれあ」と云ふ。」
漫画の25ページでこの場面を漫画で見る

作者・芥川龍之介について

1892〜1927年

東京出身の小説家。夏目漱石に認められて文壇に登場し、古典や説話に材を取った理知的な短編で知られます。芥川賞はその名を記念して設けられました。

主な作品:羅生門、鼻、蜘蛛の糸、地獄変

芥川龍之介の漫画をすべて見る(13作品)

『奉教人の死』の舞台

  • 長崎(市街地)おおよその位置

    去んぬる頃、日本長崎の「さんた・るちや」と申す「えけれしや」(寺院)に、「ろおれんぞ」と申すこの国の少年がござつた。

    物語の舞台となる長崎の市街地の目安です。作中の教会や大火の所在地・年代を特定した位置ではありません。

青空文庫・原作情報

原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。

確認済み
原作名
奉教人の死
著者名
芥川龍之介
底本
「現代日本文学大系 43 芥川龍之介集」筑摩書房
初出
「三田文学」1918(大正7)年9月
入力者
j.utiyama
校正者
八木正三
著作権・利用条件
原作の芥川龍之介は1927年没。日本国内で原作の著作権保護期間が満了した作品として、青空文庫の公開本文を翻案しています。
漫画化に使用した版
「現代日本文学大系 43 芥川龍之介集」筑摩書房、1968年8月25日初版第1刷。青空文庫2010年11月4日修正版。
AI生成・編集方針
本漫画は青空文庫のテキスト内容をもとに生成AIを用いて制作しています。作中の描写には、時代考証や原作解釈に不正確な点が含まれる場合があります。あらかじめご了承ください。

作者の案内

芥川龍之介の案内キャラクター(イラスト)

AI が作成した案内キャラクターで、本人の発言ではありません

「僕は芥川龍之介。東京で育ち、古典や説話に材を取った短い小説を書いてきた。夏目漱石先生に認められて、文壇に出ることができたんだ。」

「下人の行方は、誰も知らない。」——『羅生門』原文より

「はじめてなら『蜘蛛の糸』を。短いけれど、最後の一場面まで目が離せないはずだよ。」『蜘蛛の糸』へ

つながり:夏目漱石(師と弟子)菊池寛(学生時代からの友人)太宰治(芥川賞のゆかり)堀辰雄(師と弟子)谷崎潤一郎(「小説の筋」論争)新美南吉(同じ『赤い鳥』)魯迅(魯迅が翻訳)萩原朔太郎(田端の隣人)

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