
夏の葬列
山川方夫


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
早春の山道を小猿峠へ向かう大型バス。妻が気楽に旅の思い出を語る隣で、男は背筋を走りつづける不吉な戦慄に耐えていました。彼は試験や妻との出会いを前もって知らせた「予感」の正確さを信じていますが、妻はいつも笑い飛ばします。険しいカーブと唸るエンジンの中で恐怖は強まり、男はついに乗客の前で下車を求めます。穏やかな春景色、夫婦の信頼の亀裂、身体感覚だけを根拠に迫る決断を、静かな間と急角度の画面で描く心理サスペンスです。
原作は山川方夫が『現代挿花』1961年2月に発表した掌編で、底本は冬樹社『山川方夫全集 第四巻』1969年刊です。本文は年代を特定しないため、本漫画版は初出に近い1961年早春を視覚設定とし、当時風の観光バス、服装、夕刊紙面で構成しました。
山川方夫が1961年に発表したショートショート「予感」の漫画版です。早春の山道を走る観光バスの中で、男だけが不吉な戦慄に襲われ、自分の「予感」を信じるかどうかの決断を迫られます。
結末には触れていません
昭和30年代に活躍した作家で、切れ味の鋭いショートショートを数多く書きました。中学校の教科書で知られる「夏の葬列」の作者でもあります。
穏やかな春景色の中で、身体感覚だけを根拠に迫る決断を描く心理サスペンスです。短い話の最後に皮肉なひねりがあります。
山川方夫(1930〜1965年)です。
初出は「現代挿花」1961(昭和36)年2月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の21ページで、約7分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
男は予感に従って妻とともに峠の途中でバスを降ります。その直後、バスは小猿峠付近で転落しますが、一段下の道に落ちて止まり乗客に死者はいませんでした。ところが下の道を歩いていた一組の夫婦がバスの下敷きになって亡くなります。それはバスを降りたばかりの二人でした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。