
恋愛曲線
小酒井不木


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
結婚した翌朝、文子は夫Tの家を離れ、実家へ戻ります。言葉を交わせないまま残されたTに届くのは、彼女が筆を取った長い手紙。文子は結婚前から抱えていた秘密と、式の夜に感じた不安を語り始めます。良縁を喜ぶ両親、仲人を通じたやり取り、眼鏡越しに交わされた視線。近しいはずの二人の間で、伏せられた事情が重なります。手紙の文面と回想を行き来しながら、語り手をどう信じるか、結婚の中で何を隠し何を伝えるかを追う書簡体の心理短編です。
原作は『新青年』1926(大正15)年4月号に発表されました。本文は具体的な場所や物語の年を示しません。本漫画は初出時代に近い1920年代半ばの日本を視覚上の想定とし、婚礼の衣装、室内、手紙と眼鏡を描きました。採用したテキストは青空文庫の2010年作成の新字新仮名版です。
結婚翌日に実家へ戻った文子は、夫Tへ一通の手紙を送ります。親にも言えなかった秘密と婚礼の夜の不安を語る文面から、二人の関係が少しずつ見えてくる書簡体の心理サスペンスです。
結末には触れていません
文子が夫Tに宛てた二通の手紙を中心に進みます。文面の途中に、見合い、婚礼、実家での記憶を漫画の場面として挟んでいます。
直接伝えられなかった言葉と、相手を見ているつもりでも見落としてしまう距離を示す道具です。接写と余白を使い、文子のためらいを表しています。
原作には、障害や病気に関する当時の差別的表現や医学的記述があります。漫画ではその時代背景を注記し、現在の医学的事実として扱わないようにしています。
小酒井不木(1890〜1929年)です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の24ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
いいえ。文子は眼を失っていません。披露宴でTの片眼が見えないと聞き、本人から秘匿を認めさせるため、自分も右眼が見えないという虚偽の手紙を送ります。
前半は文子が『そう申し上げたら喜ぶでしょう』と想像して書いた返事です。実際にはTが事実を隠したことに怒り、婚姻と虚偽が結びつく慣習も批判して、別れを告げます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。