
予感
山川方夫


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
戦後十数年を経た夏、出張帰りの会社員は、少年時代に疎開していた海岸の小さな町へ立ち寄ります。駅前は変わっていても、踏切の先には芋畑と丘の松、遠い海の音が残っていました。そこで彼が目にした小さな葬列は、敗戦直前、白いワンピースの少女ヒロ子さんと過ごした一日の記憶を呼び覚まします。忘れたふりをしてきた恐怖と罪悪感に、現在の彼はどう向き合うのか。真夏の光と沈黙が、記憶の自己弁護を鋭く照らす心理短編です。
原作は山川方夫が「ヒッチコック・マガジン」1962年8月号に発表した短編です。物語の現在は戦後十数年の無名の海岸町、回想は疎開児童だった1945年夏です。本漫画版は現在層を原作初出に近い1962年、回想層を1945年8月として、駅前アーケードと芋畑の対照を視覚化しました。
山川方夫が1962年に発表した短編「夏の葬列」の漫画版です。戦後十数年を経た夏、かつての疎開先の町を訪れた男が、小さな葬列を目にして、少年時代の忘れられない一日を思い出します。
結末には触れていません
中学校の国語教科書に採られてきた作品として知られています。戦争の記憶と、自分の罪にどう向き合うかという重い主題を持っています。
戦時中の疎開先である海辺の小さな町です。芋畑、丘の松、遠い海の音など、変わらずに残る風景が過去の記憶を呼び覚まします。
山川方夫(1930〜1965年)です。
初出は「ヒッチコック・マガジン 第四巻第九号」宝石社、1962(昭和37)年8月1日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の28ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
敗戦直前、芋畑で艦載機の銃撃を受けたとき、少年は目立つ白いワンピースのヒロ子さんを突き飛ばしてしまい、彼女は撃たれました。大人になって見た葬列は、戦争で一人娘を亡くして心を病んでいたヒロ子さんの母親のものでした。少年の日の出来事を確かめようとした彼は、逃げ場のない罪の記憶を抱えて生きていくことになります。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。