
十三夜
樋口一葉

約9分・29ページ(全1話)
吉原の裏手、大音寺前。龍華寺の信如、大黒屋の美登利、横町の長吉、表町の正太――明治の下町で育つ子どもたちが、夏祭りを前にそれぞれの思いを抱える。樋口一葉『たけくらべ』の連載漫画化。
結末まで書いています(ネタバレを含みます)
吉原遊廓の裏手、大音寺前。八月二十日の千束神社の祭りを前に、横町組の大将・長吉は、表町の正太郎に勝つため龍華寺の信如に味方を頼み込み、信如はしぶしぶ引き受けます。一方、廓で全盛の姉を持つ大黒屋の美登利を中心に、表町組は祭りの趣向を筆屋での幻燈に決め、その噂は横町の長吉の耳にも届きます。
吉原の大門に近い大音寺前は、廓の灯と騒ぎがすぐそばにある町です。どの家も年中、霜月酉の日に売る熊手の下ごしらえに追われ、住む人の多くは廓に勤める者たちで、子どもたちも幼い頃から廓の真似をして育ちます。
第1話を漫画で読む入谷に近い私立の育英舎には、龍華寺の息子・信如が通っています。十五歳、やがては僧になる身で、おとなしい性分ですが、今は校内一の秀才として一目置かれています。
第1話を漫画で読む祭りを二日後に控えた十八日の暮れ、横町組の大将・長吉が龍華寺の信如を訪ねます。去年・一昨年の表町組への遺恨を語り、金持ちで愛敬のある正太郎をとっちめたいから、横町の組だという名で威張ってくれと頼み込みます。
第1話を漫画で読む門前で生まれた長吉への義理から、信如は「なるべく喧嘩はしない方が勝ち」と言いながらも味方になると約束します。そして京都土産にもらった小刀を取り出して見せ、長吉は「よく切れそうだ」と覗き込みます。
第1話を漫画で読む大黒屋の美登利は紀州生まれの少女です。姉は廓で全盛の身で、その威光で金回りがよく、同級の女の子たちに揃いのゴム鞠を配るほど気前がよく、子どもたちの女王格になっています。
第1話を漫画で読む祭りの趣向に迷う子どもたちに、正太は筆屋の店で幻燈をやろうと持ちかけ、口上は横町の三五郎に任せようと言います。美登利も面白がって話はまとまり、正太が買い物に駆け回るうちに、その噂は横町の長吉の耳にも届きます。
第1話を漫画で読むあらすじで流れをつかんだら、場面を漫画で確かめてみませんか。登録不要・無料です。
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大音寺前と名は仏くさいが、住む人いわく、陽気な町。
どの家でも年中、紙を切って胡粉を塗り、串に貼る。
霜月酉の日、大鳥神社で売る熊手の下ごしらえだ。
第1話は全29ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
吉原遊廓の裏手にある大音寺前は、どの家も熊手の内職に追われ、廓の灯と騒ぎがすぐそばにある町です。ここで育つ子どもたちは、表町組と横町組に分かれて張り合っています。八月二十日の千束神社の祭りを前に、横町組の大将・長吉は、金持ちで愛敬のある表町の正太郎に今年こそ勝とうと、龍華寺の息子で校内一の秀才・信如に味方を頼み込みます。おとなしい信如は、門前で生まれた長吉への義理から断りきれません。一方、廓で全盛の姉を持つ大黒屋の美登利は、気前のよさとさっぱりした気性で子どもたちの女王格です。表町組は美登利を中心に、祭りの趣向を筆屋での幻燈に決めます。祭りの前の下町の熱気と、まだ子どもでいられる日々の揺らぎを描きます。
原作は1895(明治28)年から翌年にかけて雑誌『文学界』に連載された、樋口一葉の代表作です。一葉は1893年から約9か月、吉原に近い下谷龍泉寺町で荒物・駄菓子の店を営んでおり、その暮らしが作品の土台になったとされます。物語の舞台は明治二十年代の大音寺前で、本漫画は長屋や寺、筆屋の店先、提燈や人力車などを当時の様子に合わせて描き、廓は外から見える通りと灯だけで表しています。
樋口一葉の小説「たけくらべ」(1895〜1896年)を連載で漫画化しています。吉原の裏手の町・大音寺前を舞台に、寺の息子の信如、大黒屋の美登利、横町の長吉、表町の正太といった子どもたちの日々を描きます。
結末には触れていません
吉原遊廓の裏手にある大音寺前という町です。原文は廓の大門と見返り柳から書き起こし、熊手の内職に追われる長屋の暮らしを描いています。
原文「大音寺前と名は仏くさけれど」第1話の2ページでこの場面を漫画で見る
龍華寺の息子で、十五歳。おとなしい性分ですが校内一の秀才です。藤本信如という名を訓読みで通していても、どこか僧らしい素振りがある少年として紹介されます。
原文「藤本信如と訓にてすませど」第1話の5ページでこの場面を漫画で見る
大黒屋の寮に住む紀州生まれの少女です。姉は廓で全盛の身で、その威光で金回りがよく、気前のよさとさっぱりした気性で子どもたちに慕われています。
原文「大黒屋の美登利とて生国は紀州」第1話の20ページでこの場面を漫画で見る
祭りで表町組の正太郎に仕返しをするため、横町組の味方になってほしいと頼みました。信如は喧嘩はしない方がいいと言いつつ、義理から引き受けます。
原文「助けると思つて大万燈を振廻しておくれ」第1話の13ページでこの場面を漫画で見る
正太の提案で、筆屋の店で幻燈を見せることに決まります。足りない品は美登利が買い、口上は横町の三五郎に任せる相談です。
原文「幻燈にしないか、幻燈に」第1話の26ページでこの場面を漫画で見る
台詞が鉤括弧なしで地の文に溶け込む、雅文と俗語を交えた文体(雅俗折衷体)で書かれています。漫画では台詞を読みやすい言葉に寄せ、地の文は要点をキャプションにまとめています。
明治二十年代の東京、吉原遊廓の裏手にある大音寺前という町が舞台です。一葉自身が近くの龍泉寺町で駄菓子店を営んだ経験が、作品の土台になったとされます。
樋口一葉(1872〜1896年)です。
初出は『文学界』文学界雑誌社、1895(明治28)年1〜3、8、11、12月、1896(明治29)年1月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
全1話・29ページで、通して読むと約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。1話ずつ区切って読めます。
台東区竜泉(大音寺前)おおよその位置
大音寺前と名は仏くさけれど、さりとは陽気の町と住みたる人の申き
吉原遊廓の裏手、信如や美登利たちが暮らす町です。一葉が駄菓子屋を営んだ旧下谷龍泉寺町(現在の竜泉)一帯とされ、一葉記念館の位置を目安にした概略の地点です。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。

AI が作成した案内キャラクターで、本人の発言ではありません
「私は樋口一葉。東京の生まれで、本名は奈津といいます。半井桃水先生に小説を学び、本郷の丸山福山町で『十三夜』や『たけくらべ』を書きました。」
「今宵は舊暦の十三夜」——『十三夜』原文より
「『十三夜』をどうぞ。月見の晩、ひとりで実家に帰ってきた娘の胸の内を、家族の会話でたどれます。」『十三夜』へ
つながり:森鴎外(『たけくらべ』を絶賛)
作家相関図を見る(読むほど線がつながります)