
野ばら 国境の春
小川未明


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
横浜の山手にある西洋人教師の学校へ通う、絵を描くことが好きな日本人の少年。港の海や船を本物らしく描きたいのに、自分の絵具では鮮やかな藍と洋紅が出せません。年上の友達ジムが持つ舶来絵具への羨望は、秋のある昼休み、胸を締めつけるほどの欲望へ変わります。誰にも頼れず、言いたいことを言えない少年が、自分の弱さと過ちにどう向き合うのか。子供の罪悪感を細やかに追い、色、白い手、紫の葡萄を通して、人とつながる勇気を描く児童文学漫画です。
原作は児童文芸誌『赤い鳥』1920(大正9)年8月号に初出しました。物語は有島武郎の少年期を思わせる横浜山手の西洋人学校を舞台にし、山手は1867年以降に外国人居留地として形成されました。本漫画は発表年と物語の少年期を区別し、明治10年代後半の山手・海岸通りを視覚設定にしています。
有島武郎が1920年に童話雑誌「赤い鳥」へ発表した童話「一房の葡萄」の漫画版です。横浜の西洋人の学校に通う絵の好きな少年が、友達の絵具を盗んでしまい、先生の優しさに救われる物語です。
結末には触れていません
白樺派の作家で、代表作に『或る女』『生れ出づる悩み』があります。この作品は自分の子どもたちのために書いた童話集『一房の葡萄』の表題作です。
子どもの罪悪感と、過ちを許されることで人とつながる勇気です。色、白い手、紫の葡萄が印象的に描かれます。
有島武郎(1878〜1923年)です。
初出は「赤い鳥 第五巻第二号」1920(大正9)年8月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の30ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
僕は昼休みにジムの絵具を盗みますが、すぐに見つかり、先生の部屋へ連れて行かれます。先生は責めずに窓の外の葡萄を一房取って僕に渡し、翌日必ず学校へ来るよう言います。翌日、先生の取り計らいでジムと仲直りした僕は、大人になっても秋が来ると先生の白い手と葡萄を思い出すのでした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。