
指環
江戸川乱歩


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
秀才学生・蕗屋清一郎は、下宿先の老婆が隠す大金に目をつけ、心理試験さえ切り抜けられる完全犯罪を計画します。物証を処理し、質問への答えを練習し、自分の冷静さに自信を深める蕗屋。しかし捜査に加わった明智小五郎は、試験の点数だけでなく、答え方と会話のわずかな不自然さへ目を向けます。知性同士がぶつかる倒叙ミステリーです。
原作は大正から昭和初期の都市文化を背景にした江戸川乱歩の作品です。新しい住居、光学器械、新聞、鉄道など当時の近代性が怪奇と犯罪へ反転する感覚を漫画で再現しています。大正期に注目された心理学と連想検査を、犯人視点の犯罪小説へ取り入れた初期作品です。
江戸川乱歩が1925年に発表した短編「心理試験」の漫画版です。完全犯罪を企てた苦学生・蕗屋清一郎が、連想語による心理試験を乗り切ろうと準備しますが、明智小五郎がその裏をかきます。
結末には触れていません
刺激語を聞かせてすぐに思いつく言葉を答えさせ、反応の内容と時間から、隠していることを探る試験です。当時の心理学の手法をもとにしています。
貧しい学生が老婆を殺すという設定は、ドストエフスキー『罪と罰』を思わせるもので、乱歩がそれを意識した作品とされています。
江戸川乱歩(1894〜1965年)です。
初出は「新青年」博文館、1925(大正14)年2月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の22ページで、約7分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
蕗屋は心理試験を完璧に乗り切りますが、明智は「屏風」の話に注目します。老婆の家の屏風に傷があったと蕗屋が証言したのに対し、その屏風は事件の前日に運び込まれたものでした。事件前に見たはずのないものを知っていたことが、動かぬ証拠になりました。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。