
指環
江戸川乱歩


魚津へ蜃気楼を見に行った帰りだった
私は生れて初めて、本物の蜃気楼を見た
海と空の境が、消えていた
この読切は全24ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
魚津の蜃気楼を見た帰り、「私」は夜汽車で押絵の額を抱えた男に出会います。額の中には老人と美少女が、絵とは思えない生々しさで収まっています。男は、浅草十二階の遠眼鏡から始まった兄の恋と、二次元の世界へ近づこうとした執念を語ります。見る者と見られる像の距離が消えていく、旅と恋の幻想怪奇譚です。
原作は大正から昭和初期の都市文化を背景にした江戸川乱歩の作品です。新しい住居、光学器械、新聞、鉄道など当時の近代性が怪奇と犯罪へ反転する感覚を漫画で再現しています。凌雲閣や遠眼鏡など明治末の浅草風景を、昭和初期の夜汽車から回想する二重の時代構造を持ちます。
江戸川乱歩が1929年に発表した短編「押絵と旅する男」の漫画版です。魚津の蜃気楼を見た帰りの夜汽車で、「私」は押絵の額を抱えた不思議な老人と出会い、その押絵にまつわる兄の恋の話を聞きます。
結末には触れていません
布や綿で人物などを立体的に作り、台紙に貼りつけた工芸品です。のぞきからくりの見世物にも使われました。
明治から大正にかけて東京・浅草にあった十二階建ての展望塔「凌雲閣」です。物語の重要な舞台になります。
江戸川乱歩(1894〜1965年)です。
初出は「新青年」博文館、1929(昭和4)年6月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の24ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
兄が遠眼鏡で見て恋した娘は、のぞきからくりの押絵のお七でした。兄は弟に遠眼鏡を逆さにして自分を見させ、小さくなった姿のまま消え、気づくと押絵の中でお七を抱いていました。押絵の娘は年を取らないのに、兄だけが老いていく、と男は語り、汽車を降りていきます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。