
あばばばば
芥川龍之介


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
災害と飢饉で荒れた平安京。職を失った下人は、雨宿りする羅生門で、盗人になるか飢え死にするかを考えています。夜を越す場所を求めて楼上へ上がると、捨てられた死体の間で老婆が奇妙な行為をしていました。生きるためなら何をしてよいのか。老婆の理屈を聞くうち、下人自身の倫理も形を変えていきます。
原作は大正期の芥川龍之介による短編です。古典や近代社会を素材に、人が自分を守るために作る理屈と感情の揺れを、簡潔で緊張感のある漫画表現へ置き換えています。平安末期の説話を下敷きに、大正期の若者の不安と倫理の崩壊を重ねた短編です。
芥川龍之介の短編「羅生門」(1915年)の漫画版です。平安時代の荒れ果てた京都で、主人に暇を出された下人が羅生門の下で雨やみを待ちながら、飢え死にするか盗人になるかで迷います。高校1年生の国語教科書で定番の作品です。
結末には触れていません
『今昔物語集』の「羅城門登上層見死人盗人語」などの説話をもとにしています。芥川はそこに下人の心の揺れを描き加えました。
平安京の正門「羅城門」のことです。作品の時代には荒れ果て、引き取り手のない死人が捨てられる場所になっていました。
下人の右頬のにきびは、若さや迷いを象徴する描写としてしばしば注目されます。物語の中で、下人がにきびから手を離す瞬間が心の変化と重なります。
芥川龍之介(1892〜1927年)です。
初出は「帝国文学」1915(大正4)年11月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の20ページで、約6分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
老婆は、生きるためには仕方がないことだと、死人の髪を抜く理由を語ります。その理屈を聞いた下人は、「では、おれが引剥をしようと恨むまいな」と老婆の着物を奪い、夜の闇へ消えていきます。「下人の行方は、誰も知らない」という一文で物語は終わります。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。