
指環
江戸川乱歩


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
病身の格太郎は、外出を重ねる妻お勢への疑いを募らせています。ある日、子どもとのかくれんぼで長持へ入った彼は、蓋が閉じて外へ出られなくなります。やがて帰宅したお勢は、内側から助けを求める音に気づきますが、その手はすぐには蓋へ伸びません。偶然の事故が人の心に選択を迫る、息苦しい心理犯罪劇です。
原作は大正から昭和初期の都市文化を背景にした江戸川乱歩の作品です。新しい住居、光学器械、新聞、鉄道など当時の近代性が怪奇と犯罪へ反転する感覚を漫画で再現しています。大正期の家庭を舞台に、機械的なトリックよりも、偶然が人間の隠れた欲望を表面化させる瞬間を描いています。
江戸川乱歩が1926年に発表した短編「お勢登場」の漫画版です。妻お勢の浮気を疑う病身の夫・格太郎が、かくれんぼの最中に長持の中へ閉じ込められ、偶然の事故がお勢に恐ろしい選択を迫ります。
結末には触れていません
衣類や道具をしまっておく、蓋付きの大きな木箱です。かくれんぼで中に入った格太郎は、蓋の掛け金が下りて出られなくなってしまいます。
偶然の事故が人の心に選択を迫る、息苦しい心理犯罪劇です。閉ざされた箱の中の声と、外で迷う手が緊張を生みます。
江戸川乱歩(1894〜1965年)です。
初出は「大衆文藝」1926(大正15)年7月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の32ページで、約10分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
助けを求める音に気づいたお勢は一度蓋を開けますが、再び閉めてしまいます。格太郎は長持の中で息絶え、蓋の裏には爪で掻いた「オセイ」の文字が残っていました。お勢はそれを夫が死ぬ間際まで自分を案じた証として泣いてみせ、財産を手にしてやがて家を離れていきます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。