
あばばばば
芥川龍之介


横須賀発、上り二等客車。
乗客は、私ひとりだった。
疲れきっていた。新聞を開く気力さえない。
この読切は全24ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
冬の夕暮れ、疲れと倦怠を抱えた「私」は汽車の二等車で、身なりの粗末な少女と乗り合わせます。少女の振る舞いを不快に思いながら眺めていると、汽車が踏切へ差しかかった瞬間、彼女は窓を開けます。煤煙、冷気、線路脇で待つ子どもたち、投げられる蜜柑。短い光景が、語り手の世界の見え方を揺らす物語です。
原作は大正期の芥川龍之介による短編です。古典や近代社会を素材に、人が自分を守るために作る理屈と感情の揺れを、簡潔で緊張感のある漫画表現へ置き換えています。大正期の鉄道風景を舞台に、都市生活者の倦怠と庶民の家族愛を一瞬の色彩で対照させた短編です。
芥川龍之介が1919年に発表した短編「蜜柑」の漫画版です。冬の夕暮れ、憂鬱を抱えた「私」が汽車の二等車で乗り合わせた身なりの粗末な少女の、ある振る舞いに心を動かされます。
結末には触れていません
芥川が海軍機関学校の教官として横須賀に通っていた頃の体験がもとになっているとされる短編です。
しもやけの手や垢じみた身なり、二等と三等の区別もつかない振る舞いに、私は不快と苛立ちを感じていました。
芥川龍之介(1892〜1927年)です。
初出は「新潮」1919(大正8)年5月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の24ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
汽車が踏切にさしかかると、少女は窓から身を乗り出し、見送りに来た弟たちへ温かい日の色に染まった蜜柑を五つ六つ投げます。奉公先へ向かう姉が、弟たちの見送りに報いたのだと悟った私は、その瞬間、疲労と倦怠、退屈な人生をわずかに忘れることができたのでした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。