
虔十公園林
宮沢賢治

原作: 風立ちぬ / 著者: 堀辰雄
約9分・30ページ(全5話)
草原を渡る風のなかで結ばれた「私」と節子が、病と向き合いながら高原の療養所で限られた生を見つめる、堀辰雄『風立ちぬ』全5話の漫画化。

それらの夏の日々――
お前が草原で絵を描くあいだ、私は一本の白樺の木陰で、お前を見ていた。
第1話は全30ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
続きを無料で読む草原の風に刻まれた一節から二年。婚約者となった節子の病状と転地療養の必要が明らかになり、「私」は父や院長と相談しながら、節子と共に八ヶ岳山麓のサナトリウムへ向かう決意を固めます。
雪の高原を経て療養所へ着いた二人は、第1号室で外界から隔てられた生活を始めます。穏やかな春から真夏へ季節が進む一方、「私」はレントゲン写真に広がる病巣の重さを知らされ、節子の食欲や眠りの変化に不安を深めます。
秋、節子の父が療養所を訪れ、再会の高揚のあと節子は再び熱を出します。血痰をきっかけに絶対安静の日々が始まり、『私』は二人の今を小説に刻もうとしながら、生の幸福と死の予感のあいだで揺れます。
十月から十二月。『私』は二人の生を物語へ結ぼうとする一方、節子は次第に衰弱し、少量の喀血を機に二人は隣室へ隔てられます。冬の山に父の横顔を見た節子が家へ帰りたいと漏らし、二人は薄暮の病室で互いの不安を受け止めます。
節子を失った『私』は、雪に閉ざされたK村の山小屋へ戻ります。教会で出会う独逸人神父、リルケの『鎮魂歌』、雪林の足音と小屋の明りを通して、節子を呼び戻さず、その愛を内に抱いて生きることへ静かに向き合います。
STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
草原で絵を描く節子のそばにいた「私」は、突然の風に画架を倒され、二人の時間を刻む一節を口にします。季節が巡り、婚約者となった二人は節子の病と向き合い、高原の療養所で限られた時間を共に過ごします。風、白樺、雪、山小屋の明りを通して、愛することの幸福と不安、記憶を抱えて生きることを静かに見つめる全5話です。
原作は1936年から1938年に各誌で発表された章をもとに成立した昭和初期の作品です。結核療養のため八ヶ岳山麓のサナトリウムへ向かう時代背景と、洋装・和装が交わる当時の生活を踏まえて漫画化しています。
堀辰雄の代表作『風立ちぬ』を全5話で漫画化した連載です。結核を病む婚約者・節子と「私」が、高原のサナトリウムで限られた時間を共に過ごし、生きることと愛することを見つめます。
結末には触れていません
フランスの詩人ヴァレリーの詩句を堀辰雄が訳した言葉で、作品の冒頭に置かれています。風が立った瞬間に、生きようという思いが呼び起こされる場面です。
スタジオジブリの映画『風立ちぬ』(2013年)は、零戦設計者の堀越二郎の人生に、堀辰雄の小説の要素を重ねて作られました。小説そのものは、療養所で過ごす二人の物語です。
堀辰雄(1904〜1953年)です。
初出は序曲「改造」1936年12月号、春「新女苑」1937年4月号、風立ちぬ「改造」1936年12月号、冬「文藝春秋」1937年1月号、死のかげの谷「新潮」1938年3月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
全5話・150ページで、通して読むと約45分が目安です(1ページ18秒で計算)。1話ずつ区切って読めます。
節子は療養所で冬を越すことができずに亡くなります。最終章「死のかげの谷」では、節子を亡くした私がひとり雪の山小屋で冬を過ごし、彼女が遺してくれた幸福を静かにかみしめます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。