
雪女 白い約束
小泉八雲

原作: DIE VERWANDLUNG / 著者: フランツ・カフカ / 翻訳: 原田義人
約9分・30ページ(全5話)
目覚めると虫のような姿になっていた営業マン、グレゴール・ザムザ。異常な身体よりも遅刻と仕事を案じる青年と、閉ざされた扉の外で揺れる家族を描く文学シリーズ。

虫のような身体で目覚めたグレゴールは、遅刻と仕事を案じながらベッドを降りようとする。心配する家族に加えて店の支配人まで訪れ、彼は鍵のかかった扉の向こうから必死に応じる。
姿を見た支配人は逃げ、グレゴールは父に部屋へ追い戻されて傷を負う。妹グレーテの世話で新しい食性を知る一方、家族の蓄えと、自分が支えてきた暮らしを扉越しに思う。
壁や天井を這うグレゴールのため、グレーテと母は家具を運び出す。人間だった記憶まで奪われる恐怖から額絵を守ろうとした彼は母を失神させ、帰宅した父に追われて背中へリンゴの重傷を負う。
背中のリンゴの傷で衰弱したグレゴールの家は、女中と三人の下宿人を迎えて変わっていく。ある夜、グレーテのヴァイオリンが響くと、その音に人間としての憧れを呼び覚まされた彼は、暗い部屋から身を乗り出す。
ヴァイオリンに心を奪われたグレゴールは、妹を音楽学校へ送るはずだった夢を胸に近づく。だがグレーテは彼を兄ではないと退ける。家族を思いながら息を引き取った翌朝、三人は春の電車で郊外へ向かい、新しい暮らしを考える。
STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
布地の外交販売員グレゴール・ザムザは、ある朝、見慣れない虫のような身体で目を覚まします。それでも彼が最初に考えるのは、乗り遅れた汽車、厳しい職場、そして家族の借金のことでした。鍵をかけた寝室の外では両親と妹が心配し、やがて店の支配人まで訪れます。言葉が通じなくなりつつある身体と、家族を支えたいという変わらない思い。その隔たりが、閉ざされた扉の両側で静かに広がっていきます。
カフカが1915年に発表した中編小説で、同年10月に雑誌『Die weißen Blätter』へ掲載されました。本漫画では都市を断定せず、原作の家具、職業、鉄道、住居描写を手掛かりに、1910年代の中央ヨーロッパ都市にある中産階級家庭として空間と衣服を構成しています。
フランツ・カフカの代表作『変身』(1915年)を原田義人訳で全5話に漫画化した連載です。ある朝、巨大な虫のような姿で目を覚ましたセールスマンのグレゴール・ザムザと、その家族の変化を描きます。
結末には触れていません
「ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた」という有名な書き出しで始まります。
原作では虫の種類ははっきり書かれていません。カフカは初版の表紙に虫そのものを描かないよう求めたと伝えられており、漫画でも正体を断定しない表現にしています。
フランツ・カフカ(1883〜1924年)です。この漫画は原田義人による翻訳をもとにしています。
初出は『Die weißen Blätter』1915年10月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
全5話・150ページで、通して読むと約45分が目安です(1ページ18秒で計算)。1話ずつ区切って読めます。
家族の負担になっていくグレゴールは、父に投げつけられた林檎の傷がもとで弱り、妹の「あれを追い出さなくては」という言葉を聞いた夜、静かに息を引き取ります。家族は安堵して郊外へ出かけ、美しく成長した娘の将来に希望を見いだします。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。