
あばばばば
芥川龍之介


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
池の尾の僧・禅智内供は、人並外れて長い鼻を気にしながら、気にしていないふりを続けています。弟子が短くする療治を見つけたことで、内供は密かに期待を寄せます。ところが外見が変われば人の目から自由になれるとは限りません。自尊心、他人の笑い、他人の不幸を喜ぶ心を、僧侶の日常から皮肉に描く短編です。
原作は大正期の芥川龍之介による短編です。古典や近代社会を素材に、人が自分を守るために作る理屈と感情の揺れを、簡潔で緊張感のある漫画表現へ置き換えています。平安期の説話を下敷きに、近代人の自意識として読み替えた初期短編です。
芥川龍之介の出世作「鼻」(1916年)の漫画版です。五、六寸もある長い鼻を気にする禅智内供が、弟子の協力で鼻を短くする方法を試みます。夏目漱石に激賞されたことで知られる短編です。
結末には触れていません
『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』にある鼻の長い僧の説話をもとに、芥川が人間の心理を描き加えた作品です。
芥川が同人誌「新思潮」に発表したこの作品を、漱石が手紙で絶賛したことが、芥川が作家として認められるきっかけになりました。
人の不幸には同情しても、その人が不幸を切り抜けると、どこか物足りなく感じてしまう「傍観者の利己主義」が描かれています。
芥川龍之介(1892〜1927年)です。
初出は「新思潮」1916(大正5)年2月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の24ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
鼻は短くなりますが、周りの人々はかえって露骨に笑うようになり、内供は鼻が長かった頃を懐かしく思います。ある朝、鼻は元の長さに戻っていました。内供は「こうなれば、もう誰も笑うものはない」と、長い鼻を秋風にぶらつかせるのでした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。