
指環
江戸川乱歩


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
深紅の垂絹と三本の蝋燭に閉ざされた秘密クラブ「赤い部屋」。異常な刺激を求める六人の会員の前で、新入会員のT氏は、退屈から逃れるために見つけたという「法律に触れない殺人」の体験を語り始めます。善意に見えるひと言、偶然にしか見えない身振り、責任の所在がぼやける事故。告白が積み重なるほど、聞き手と読者は、語られていることの真偽と、目の前の男が次に何をするのかを見極められなくなっていきます。蝋燭の影、銀盆、拳銃といった小道具が緊張を引き継ぐ、語りそのものを罠にした心理サスペンスです。
原作は1925(大正14)年4月、博文館の雑誌『新青年』に発表されました。物語は年を明記しませんが、「大正の聖代」、電車、自動車、人力車、洋風レストラン、蝋燭と電燈の併存が描かれます。本漫画は初出と同時代の大正末期を視覚設定とし、原文の赤い垂絹、天鵞絨、円卓、銀盆を中心に再構成しています。
江戸川乱歩が1925年に「新青年」へ発表した短編「赤い部屋」の漫画版です。異常な刺激を求める秘密クラブで、新入会員のT氏が「法律に触れない殺人」を百人に対して行ったという体験を語ります。
結末には触れていません
善意に見える一言や、偶然にしか見えない身振りで、人を事故へ導き、責任の所在をぼかしてしまう方法です。
告白が積み重なるほど、聞き手と読者が話の真偽を見極められなくなっていく語りの仕掛けです。蝋燭の影や拳銃などの小道具が緊張を高めます。
江戸川乱歩(1894〜1965年)です。
初出は「新青年」博文館、1925(大正14)年4月(初出時表題「連続短篇探偵小説(三)」)です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の28ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
T氏は給仕の女に拳銃で撃たれて倒れ、最後の百人目は自分自身だったのかと会員たちは戦慄します。しかし彼は笑いながら起き上がり、弾は赤インキ入りの偽物で、身の上話もすべて作りごとだったと明かします。語りそのものが罠だったという結末です。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。