
入院患者
ドイル アーサー・コナン

原作: 株式仲買店々員 / 著者: ドイル アーサー・コナン / 翻訳: 三上 於菟吉
約9分・28ページ
ようやく就職が決まった青年に、さらに破格の仕事が舞い込む。ホームズとワトソンが、好条件の裏にひそむ奇妙な謎を追う。

風邪はもういいのかい、ワトソン?
なぜ分かった?
底は焦げているのに、店の紙は剥がれていない。濡れた靴を乾かしたのではない。
六月に火へ足を出すほど、寒気がしたんだろう。
この読切は全28ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
続きを無料で読むSTORY GUIDE
結末に触れない紹介です
長い失業の末、ロンドンの株式仲買店への就職を決めたホール・ピイクロフト。その矢先、見知らぬ男から高額の給料と前金を提示され、バーミングハムの新会社へ誘われる。ところが、立派な肩書とは裏腹に、待っていたのは看板もない事務所と単調な書き写しの仕事だった。不安を抱いた青年の相談を受け、ホームズとワトソンは現地へ向かう。何気ない約束や小さな違和感が、観察と推理によって意味を変えてゆく短編ミステリー。
英国の作家ドイルによるホームズ短編を、三上於菟吉訳で読む。使用する青空文庫版の底本は、平凡社『世界探偵小説全集 第三卷 シヤーロツク・ホームズの記憶』(1930年2月5日発行)。漫画は原文にあるロンドンとバーミングハム、鉄道、事務所の風景を保ち、細い線と寒色を中心とした現代的なフルカラー画面で構成する。
就職が決まった青年に届いた、さらに好条件の誘い。高額の前金、看板のない事務所、不思議な仕事――ホームズとワトソンが、その違和感をたどります。
結末には触れていません
高額の給料を提示されたのに、仕事場も仕事の内容もどこか不自然。その違和感を持ち帰った青年の話から、ホームズが依頼の裏にある事情を探ります。
中心となるのは就職をめぐる約束と人物の行動です。仲買店がお金や有価証券を扱う場所だと押さえれば、細かな相場の知識がなくても謎を追えます。
人物の表情だけでなく、手紙や住所録、事務所の様子にも注目してください。ホームズが何を不自然と感じるのか、青年やワトソンの受け止め方と比べて読むと楽しめます。
ドイル アーサー・コナン(1859〜1930年)です。この漫画は三上 於菟吉による翻訳をもとにしています。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の28ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
同意文は筆跡をまねるための見本で、辞退を知らせないことは、別人が青年の名で就職するために必要でした。住所録の書写は、その間本人をロンドンから遠ざける仕事だったとホームズが説明します。
新聞はロンドンでの強盗殺人と共犯である兄弟の逮捕を伝えていました。原作の結末は、犯罪の責任と肉親への思いが一人の人間の中に同居する複雑さに目を向けます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。