
Kの昇天
梶井基次郎


美しい音楽も、詩も、もう耐えられない。
惹かれるのは、みすぼらしくて美しいものだけ。
この読切は全20ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
原因の分からない不安と重さに追われる「私」は、好きだった店や街さえ楽しめなくなっています。京都をさまよう途中、果物屋で鮮やかな檸檬を一つ買うと、その冷たさ、重さ、色が久しぶりに心を軽くします。やがて丸善へ入った私は、画集を積み上げ、その上へ檸檬を置く奇妙な想像を始めます。感覚が日常を反転させる短編です。
原作は大正末から昭和初期の感覚を刻んだ梶井基次郎の短編です。病、倦怠、都市生活の圧迫が、色や匂いへの鋭い感覚で一瞬反転する文章を視覚的なリズムへ置き換えています。大正期の京都と丸善を舞台に、病と経済的不安を抱えた若者の感覚を描いています。
梶井基次郎の代表作「檸檬」(1925年)の漫画版です。えたいの知れない憂鬱に押しつぶされそうな「私」が、京都の果物屋で一個の檸檬を買い、丸善の書棚で奇妙な空想を実行します。高校国語の教科書で読まれている作品です。
結末には触れていません
語り手が丸善の書棚に積み上げた画集の上に檸檬を置き、それを「黄金色に輝く恐ろしい爆弾」に見立てる空想のことです。実際の爆弾ではなく、重苦しい日常を吹き飛ばしたいという気持ちの表れです。
語り手は果物屋で見つけた檸檬の色、形、冷たさ、重さに心をひかれ、それだけで憂鬱が紛れていくのを感じます。檸檬は、失われかけた感覚の喜びを取り戻させる象徴です。
京都・三条にあった書店・洋品店です。以前は好きだった場所が、今の語り手には重苦しく感じられる場所として描かれます。
梶井基次郎(1901〜1932年)です。
初出は「青空 創刊号」青空社、1925(大正14)年1月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の20ページで、約6分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
私は画集を積み上げた「城」の頂に檸檬を据えると、そのまま何食わぬ顔で店を出ます。十分後にあの気詰まりな丸善が大爆発して粉葉みじんになったらどんなに面白いだろう、と想像しながら、京極の通りを下っていきます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。