
Kの昇天
梶井基次郎


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
満開の桜を前にしても、語り手はその美しさを素直に信じられません。あまりに完全な花には、何か不吉な根拠があるはずだと考え、地中の死体、根が吸い上げる液、谷間の羽虫の墓場を幻視します。恐ろしい想像は花を汚すのか、それとも美しさを受け入れるために必要なのか。感覚と思考が一気に走る心理幻想です。
原作は大正末から昭和初期の感覚を刻んだ梶井基次郎の短編です。病、倦怠、都市生活の圧迫が、色や匂いへの鋭い感覚で一瞬反転する文章を視覚的なリズムへ置き換えています。昭和初期に発表され、近代人が圧倒的な美を前に抱く不安を短い散文へ凝縮した作品です。
梶井基次郎の散文詩的な短編「桜の樹の下には」(1928年)の漫画版です。「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という衝撃的な一文で知られ、満開の桜の美しさを信じられない語り手の幻想を描きます。
結末には触れていません
あまりに完全な美しさには、何か不吉な根拠があるはずだという語り手の感覚を表した言葉です。死と美を結びつけることで、ようやく桜の美しさを受け入れられるという逆説が語られます。
物語というより、感覚と思考が一気に走る散文詩のような短編です。地中の死体、根が吸い上げる液、谷間の羽虫の墓場などのイメージが続きます。
梶井基次郎(1901〜1932年)です。
初出は「詩と詩論」1928(昭和3)年12月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の20ページで、約6分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
屍体の幻想を思い描いたことで、語り手はようやく桜の花の美しさを受け入れ、憂鬱から解放されます。最後には、村人たちと同じように花見の酒が飲めそうな気がする、と結ばれます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。