
山椒大夫
森鴎外


唐の貞観のころ。
閭丘胤という官吏がいたそうである。
もっとも、そんな人はいなかったらしいともいう。
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結末に触れない紹介です
唐の貞観年間、台州へ赴任した官吏・閭丘胤は、長安で頭痛に苦しんだ折、乞食坊主の豊干に不思議な方法で救われます。豊干は台州の国清寺に拾得という男がおり、その正体は普賢菩薩だと告げ、さらに寒巌に住む寒山を文殊菩薩だと教えました。僧侶や道士を「自分には分からぬもの」として遠くから尊敬する閭は、地方長官として着任すると、さっそく二人を訪ねて天台山へ向かいます。官位と礼節を身にまとった訪問者の目に、山寺で働き、残り飯を分け合う二人はどう映るのか。鴎外の乾いた語りと風刺を、冬の川霧、虎の足跡、厨房の湯気と火で追う歴史短編です。
原作は「新小説」1916(大正5)年1月号に発表されました。物語は唐の貞観年間の台州・天台山国清寺を舞台にします。漫画では原文の地名・季節・寺内描写と寒山拾得の伝統的図像を参照し、初唐風の官服や山寺を視覚化しましたが、細部は史料復元ではなく文学的翻案です。
森鴎外が1916年に「新小説」へ発表した歴史短編「寒山拾得」の漫画版です。唐の時代、台州に赴任した官吏・閭丘胤が、菩薩の化身だと聞いた二人の僧を天台山の寺に訪ねます。
結末には触れていません
唐代の伝説的な詩僧で、禅画の題材として古くから描かれてきました。鴎外はこの伝説をもとに小説を書いています。
官位と礼節を身にまとった訪問者の目に、山寺で働き残り飯を分け合う二人がどう映るのか、という皮肉です。鴎外の乾いた語りが、権威と信仰の関係を映し出します。
森鴎外(1862〜1922年)です。
初出は「新小説」1916(大正5)年1月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の20ページで、約6分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
閭がうやうやしく礼をすると、寒山と拾得は大声で笑い、「豊干がしゃべったな」と言って、二人一緒に厨房から駆け出していきます。形だけの尊敬が、相手にまったく届かないことが示される結末です。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。