
寒山拾得
森鴎外


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
元文三年の大坂。船の積荷をめぐる不正で父・太郎兵衛に斬罪が迫るなか、十六歳のいちは、悲嘆に沈む母と幼い弟妹を前に、自分たちの命と引き換えに父を救う願書を書こうと決めます。霜の夜明け、閉ざされた奉行所へ向かう子どもたち。権威の言葉と少女の覚悟がぶつかる瞬間を、静けさと鋭い視線で描く歴史短編です。
原作は1915(大正4)年10月1日『中央公論 第30年第11号』初出。物語は1738(元文3)年11月の大坂・南組と西町奉行所を舞台とし、桜町天皇の大嘗会が再興された時期と重なります。本漫画は18世紀大坂の水運・町人地・奉行所を、墨線と抑えた藍・朱の色彩で再構成しました。
森鴎外の歴史小説「最後の一句」(1915年)の漫画版です。元文三年の大坂、斬罪が決まった父を救うため、十六歳の長女いちが自分たちの命と引き換えに父を助けてほしいと奉行所へ願い出ます。
結末には触れていません
江戸時代の随筆に記された大坂の事件をもとに、鴎外が歴史小説として書いた作品です。
悲しみに沈む母や幼い弟妹を前に、冷静に願書を書き、夜明けに奉行所へ向かう、強い覚悟を持った少女です。
森鴎外(1862〜1922年)です。
初出は『中央公論 第30年第11号』1915(大正4)年10月1日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の30ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
お白洲で奉行に「お前の申し立てにうそはあるまいな。父の代わりに死んでも、後悔しないか」と問い詰められたいちは、「お上の事には間違はございますまいから」と答えます。権威への鋭い皮肉を含んだこの一言に、役人たちは強い衝撃を受けます。その後、大嘗会の恩赦により太郎兵衛の死罪は赦されます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。