
寒山拾得
森鴎外

原作: 舞姫 / 著者: 森鴎外
約6分・20ページ(全4話)
明治の官吏・太田豊太郎が、ベルリンでの出会いと近代人の葛藤を帰国途上の船から振り返る森鴎外『舞姫』全4話の漫画化。

石炭は、もう積み終えた。
今夜、船に残ったのは私一人だ。
帰途の日記は、まだ一字もない。
第1話は全20ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
続きを無料で読む帰国途上の船で筆を執った豊太郎が、生い立ちとベルリン留学、自我の目覚め、古寺の扉で泣く少女との出会いまでを振り返る。
古寺の扉で泣くエリスに手を差し伸べた豊太郎が、父の葬送を助け、交流を深める一方、讒言による免官と母の死に直面し、相沢の支援を得て母娘の屋根裏へ移るまでを描く。
新聞の翻訳で暮らしを支える豊太郎が、エリスの妊娠を知る一方、相沢との再会を機に天方大臣へ引き合わされる。エリスとの関係を断つと約束し、身重の彼女をベルリンに残してロシアへ向かうまでを描く。
ロシア滞在中に届くエリスの手紙を読み、ベルリンへ戻った豊太郎は、大臣から帰国同行を求められて承諾する。雪の夜の帰宅と病後、相沢から約束を聞かされたエリスが心を病み、豊太郎が母娘と未出生の子を残して東へ帰るまでを描く。
STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
明治の若い官吏・太田豊太郎は、国の期待を背負ってベルリンへ留学します。語学と学業に優れ、規律正しく任務を果たす一方、異国の文化や思想に触れるうち、命じられるまま生きてきた自分自身へ疑問を抱き始めます。官僚としての立場、母への思い、同郷人との距離、そして古い街角での出会いを通して、近代を生きる個人の自由と責任を見つめる全4話の物語です。
原作は1890年に発表された森鴎外の初期小説です。明治日本が西欧の制度と文化を急速に取り入れた時代を背景に、官費留学生の経験、国家と個人の緊張、ベルリンの新旧の街並みを描いています。本漫画では1880年代の服装、交通、室内、街路を参照しながら全4話に構成しています。
森鴎外の小説「舞姫」(1890年)を全4話で漫画化した連載です。明治の官吏・太田豊太郎が留学先のベルリンで踊り子エリスと出会い、国家への義務と個人の愛の間で揺れる姿を描きます。高校の国語教科書でも広く読まれている作品です。
結末には触れていません
作者は森鴎外(1862〜1922年)です。陸軍軍医としてドイツに留学した経験を持ち、「舞姫」は帰国後に発表した初期の小説です。
鴎外自身のドイツ留学の経験が下敷きになっていますが、あくまで小説です。帰国後、鴎外を追って来日したドイツ人女性がいたことが知られ、作品との関係がしばしば論じられます。
明治の雅文体(擬古文)で書かれており、「石炭をば早や積み果てつ」という書き出しが有名です。漫画では現代の読者にも追いやすい言葉で場面をたどります。
初出は『國民之友』1890(明治23)年1月です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
全4話・92ページで、通して読むと約28分が目安です(1ページ18秒で計算)。1話ずつ区切って読めます。
豊太郎は相沢の勧めで大臣とともに帰国することを受け入れますが、それをエリスに告げられないまま倒れます。その間に相沢から事情を聞いたエリスは、豊太郎の子を身ごもったまま心を病んでしまいます。豊太郎はエリスを残して帰国の途につき、「相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり」と結びます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。