
指環
江戸川乱歩

原作: 怪人二十面相 / 著者: 江戸川乱歩
約8分・24ページ(全12話)
東京を騒がす変装の怪盗・二十面相。羽柴家事件から伊豆の美術城、明智の危機、国立博物館決戦へ進む全12話シリーズ。最終第12話では明智が博物館盗難の種を明かし、少年探偵団が怪盗捕縛を決定づける。

東京中を騒がす二十面相の噂。羽柴家に届いた予告状、十年ぶりに帰る長男、そして祝宴を断ち切る「正十二時」の電報までを描く第1話。
書斎に籠もる壮太郎と壮一。ピンポン玉に気を取られた一瞬で六つのダイヤは消え、壮一の正体は二十面相だと明かされる。窓から逃げた怪盗を、壮二の鉄のわなが待ち受ける第2話。
鉄のわなを逃れた二十面相は池に潜み、竹筒で息をして追跡をやりすごす。運転手・松野と入れ替わった怪盗は、早苗と壮二を乗せた車を走らせ、壮二だけを連れ去る。観世音像を要求する手紙から、小林芳雄が動き出す第3話。
明智小五郎が不在のなか、少年探偵・小林芳雄が羽柴家へ現れる。小林は観世音像に潜む大胆な策を立て、午後十時の受け渡しで壮二は戻るが、像は二十面相の隠れ家へ運び込まれる。仏像が動き、拳銃を向ける第4話。
仏像の正体は少年探偵・小林芳雄。六つのダイヤを取り返した直後、二十面相の落とし穴で地下室に落とされる。小林は七つ道具と伝書バトのピッポを使って救援を送り、二十面相との奇妙な取引に臨む第5話。
ピッポの知らせで警官隊が戸山ヶ原の廃屋へ到着し、小林芳雄は地下室から救出される。老人に化けた二十面相を捕らえたかに見えた勝利は、身代わりのコック木下虎吉と警官変装による逃走で反転する。中村捜査係長に残された挑戦状が、明智小五郎の帰国を待たせる第6話。
伊豆・修善寺近くの山中に建つ日下部左門の美術城へ、二十面相から古名画を一幅も残さず奪うという予告状が届く。左門は近くに滞在する明智小五郎に助けを求め、明智らしき人物と三人の刑事が警備に入るが、不安の一夜のあと、夜明けの宝物部屋から名画がすべて消えている第7話。
偽明智の正体が二十面相だったと明かされ、美術城の盗難は新聞記事、偽刑事、エジプトたばこ、鍵のすり取りによる計略だったことが判明する。半月後、東京駅で本物の明智小五郎が帰国し、小林芳雄と再会。辻野を名乗る紳士に導かれて鉄道ホテルへ入った明智が、その男の正体を二十面相と見抜く第8話。
鉄道ホテルで明智小五郎と二十面相が心理戦を繰り広げる。二十面相はホテルボーイと大トランクで明智を閉じ込めようとするが、小林少年の合図と明智の読みで失敗。エレベーターの細工も見抜かれ、逃走車は警察に追われる。ついに辻野らしき男が逮捕されるが、松下庄兵衛という替え玉だったことが判明し、二十面相の復讐が動き出す第9話。
明智小五郎は二十面相の次の手を読み、小林芳雄に「危険も策略」と告げる。翌日、赤井寅三という男が二十面相の手下に引き込まれ、青山墓地で明智を拉致する計画に加わる。明智は偽装住宅から地下要塞へ運ばれ、二十面相は美術室と空の国宝展示室を示して勝利を笑う第10話。
明智失踪に沈む東京。小林芳雄は文代夫人を支えながら、羽柴壮二が結成した少年探偵団と協力して聞き込みを始める。十二月十日午後四時、国立博物館の厳戒態勢の中へ明智が現れ、驚くべき事実を告げる第11話。
明智小五郎が国立博物館盗難のからくりを解き明かす。古材木トラック、偽の宿直員、そして自らの潜入計略。館長に化けていた二十面相を暴き、最後は小林芳雄と少年探偵団が逃走する怪盗へ飛びかかる完結第12話。
STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
どんな人物にも化けられる怪盗・二十面相が、富豪の宝と美術品へ大胆な予告を送ります。羽柴家の事件をきっかけに、小林芳雄と少年探偵団、名探偵・明智小五郎は、変装、偽電報、地下室、巨大な美術城をめぐる知恵比べへ。捕らえた相手が本人とは限らず、味方の顔も信用できません。東京と伊豆を舞台に追跡が続く全12話の冒険ミステリーです。
原作は大正から昭和初期の都市文化を背景にした江戸川乱歩の作品です。新しい住居、光学器械、新聞、鉄道など当時の近代性が怪奇と犯罪へ反転する感覚を漫画で再現しています。昭和初期の少年向け雑誌文化から生まれた作品で、都市の新技術と冒険活劇を子どもの視点へ開いたシリーズです。
江戸川乱歩の少年探偵シリーズ第一作『怪人二十面相』(1936年)を全12話で漫画化した連載です。どんな人物にも化けられる怪盗・二十面相に、名探偵・明智小五郎と小林少年率いる少年探偵団が挑みます。
結末には触れていません
小林少年を団長に、壮二たち少年が集まって作った探偵団です。この作品で初めて登場し、その後のシリーズでも活躍します。
変装、偽電報、地下室、巨大な美術城など、仕掛けに満ちた知恵比べです。捕らえた相手が本人とは限らず、味方の顔さえ信用できない緊張感が続きます。
江戸川乱歩(1894〜1965年)です。
初出は「少年倶楽部」大日本雄辯會講談社、1936(昭和11)年1月号~12月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
全12話・294ページで、通して読むと約89分が目安です(1ページ18秒で計算)。1話ずつ区切って読めます。
二十面相は一度は明智に化けるほどの大胆さで挑みますが、最後は明智と少年探偵団に追い詰められます。少年たちの勇気ある活躍で決着がつき、「明智先生ばんざい」「小林団長ばんざい」の声で物語は締めくくられます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。