
秘密の相似
小酒井不木


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
結婚を翌日に控えた裕福な友人A君のもとへ、半年間消息を絶っていた貧しい医学者から奇妙な手紙が届こうとしています。かつて雪江をめぐる恋に敗れた彼は、失意を押し込めて心臓生理学の研究へ没頭していました。体を離れても条件次第で拍動を続ける心臓と、わずかな電気を紙上の線として記録する装置。薬物や喜怒哀楽によって異なる曲線を集めるうち、彼の科学的好奇心は「失恋」、そして「恋愛」そのものを測る試みへ変わっていきます。整然とした実験報告の言葉が、手紙の現在時刻へ近づくほど切迫していく書簡体の心理科学怪奇譚です。
原作は『新青年』1926(大正15)年1月号に発表されました。本文は都市名や正確な年代を特定しませんが、医学者・小酒井不木が当時の摘出心臓実験と弦線電流計式心電図の知識を怪奇小説へ組み込んでいます。本漫画は初出時代を視覚基準とし、1926年頃の日本の大学生理学研究室として装置・服装・室内を構成しました。
医学者でもあった探偵作家・小酒井不木が1926年に発表した短編「恋愛曲線」の漫画版です。恋に敗れた医学者が、結婚を控えた友人に宛てて、心臓の拍動を記録する実験と「恋愛曲線」について綴った手紙の形で進みます。
結末には触れていません
医学者として研究をしながら、医学の知識を生かした探偵小説を書いた作家です。江戸川乱歩のデビューを後押ししたことでも知られます。
心臓の拍動を電気で記録した線(心電図のような曲線)で、薬物や喜怒哀楽によって形が変わります。医学者はこれで「恋愛」そのものを測ろうとします。
小酒井不木(1890〜1929年)です。
初出は「新青年」1926(大正15)年1月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の30ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
失恋した心臓に失恋した自分の血を流せば「失恋曲線」になると確かめた医学者は、二つの失恋を重ねれば恋になると考えます。手紙の最後で、A君との結婚に絶望して命を絶ち、心臓を託してきた女性が雪江本人だったことが明かされます。医学者は自分の血を彼女の心臓に流し込みながら、結婚の贈り物として「恋愛曲線」を完成させようとしていたのです。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。