
雪渡り
宮沢賢治


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
小さな谷川の底で、二匹の蟹の兄弟は、正体のわからないクラムボンのことや、頭上を行き来する銀色の魚について話しています。五月の水には黄金の光が揺れる一方、兄弟の理解を越えた出来事が突然降りかかります。季節が十二月へ移ると、成長した二匹は月明かりの下で泡の大きさを競い、父とともに水面から来る新たな気配を追います。恐怖と安らぎ、生と死、光と匂いを、谷川の底から見上げる二枚の幻燈として描く物語です。
原作は宮沢賢治が1923(大正12)年4月8日の『岩手毎日新聞』に発表した童話です。物語の場所と年代は明記されず、五月と十二月の谷川の底が舞台です。本漫画はその非特定性を保ち、大正期の童話挿絵を想起させるインクと水彩で、光・泡・鉱物・花・果実の比喩を視覚化しています。
宮沢賢治の童話「やまなし」の漫画版です。谷川の底で暮らす二匹の蟹の兄弟が見た「五月」と「十二月」の二つの場面を、「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈」として描きます。小学校6年生の国語教科書で読まれている作品です。
結末には触れていません
蟹の兄弟が「クラムボンはわらったよ」と話す、正体の分からない言葉です。泡、光、小さな生き物など、さまざまな解釈があり、作品の中では答えが示されません。
山に生える梨の一種です。十二月の場面で、熟したやまなしが川に落ちてきます。
宮沢賢治(1896〜1933年)です。
初出は「岩手毎日新聞」岩手毎日新聞社、1923(大正12)年4月8日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の22ページで、約7分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
五月には、かわせみが突然飛び込んで魚をとっていき、兄弟は死の怖さを知ります。十二月には、落ちてきたやまなしのよい匂いにつられて親子で後を追い、やまなしが熟して酒になるのを待とうと家に帰ります。恐れと安らぎ、死と恵みが二枚の幻燈として対比されます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。