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途上 偶然という殺意の表紙

途上 偶然という殺意

原作: 途上 / 著者: 谷崎潤一郎

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約9分・30ページ

年末の帰り道、会社員・湯河は見知らぬ私立探偵に呼び止められる。穏やかな身元調査は、先妻を襲った病気と事故、そして『偶然の確率』をめぐる追及へ変わっていく。歩き続ける二人の会話を、大正東京の夜景と現代的な台詞で描く心理犯罪漫画。

2026-07-12読切短編
全1話 途上 偶然という殺意 2ページ
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今夜は、久満子に手袋を買おう。

きっと喜ぶ。

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STORY GUIDE

作品ガイド

結末に触れない紹介です

ネタバレなしの詳しいあらすじ

十二月末の夕暮れ、会社員の湯河勝太郎は、金杉橋から新橋へ向かう帰り道で、安藤と名乗る私立探偵に呼び止められます。友人の紹介状を持つ安藤は、結婚に関する身元調査だと説明し、湯河と並んで歩き始めます。しかし質問は、卒業や結婚の履歴から、亡き先妻・筆子を襲った病気や事故の細部へと進みます。偶然の出来事は本当に誰にも選べないのか。危険な状況へ人を近づける行為は、どこから罪になるのか。東京の街を歩く距離とともに穏やかな会話が逃げ場のない追及へ変わる、対話劇型の心理サスペンスです。

時代背景

原作は雑誌「改造」1920(大正9)年1月初出。本文中の卒業年と先妻の没年、十二月末という冒頭から、物語の現在は1919(大正8)年末と読めます。本漫画では金杉橋、新橋、銀座、日本橋、水天宮へ続く歩行経路、当時の電車・乗合自動車・街灯・洋装を意識しつつ、会話は現代の読者が追いやすい表現へ翻案しています。

テーマ

偶然と必然罪と責任観察と追及都市の不安

注目点

  • 金杉橋から探偵事務所まで、実際に歩き続ける二人の距離を、尋問が深まる心理的な下降線として構成しています。
  • 病気や事故の長い説明を、手袋、名刺、割れた窓、瓦斯の栓、水のグラスなど、意味が変化する物のクローズアップへ置き換えています。
  • 安藤の笑顔と湯河の汗・姿勢・手の震えを対照させ、会話の主導権が移る過程を大正東京の夜景の中で読ませます。

主な登場人物

谷崎潤一郎が1920年に発表した短編「途上」の漫画版です。会社員の湯河が、帰り道で私立探偵を名乗る男に呼び止められ、並んで歩きながら亡き先妻の病気や事故について問いただされていきます。探偵小説の先駆的作品として知られます。

湯河勝太郎
会社員。再婚を控え、身元調査だという探偵の質問に答えながら東京の街を歩きます。
安藤
友人の紹介状を持つ私立探偵。穏やかな口調で、湯河の過去を細かく尋ねます。
筆子
湯河の亡き先妻。生前、たびたび病気や事故に見舞われていました。

『途上』のよくある疑問

結末には触れていません

「プロバビリティーの犯罪」とは?

確実に殺すのではなく、危険な状況へ人を少しずつ近づけ、偶然の事故が起こる確率を高める犯罪のことです。江戸川乱歩がこの作品を高く評価し、そう名付けて論じたことで知られます。

どんな形式の作品?

二人が歩きながら話す会話だけで進む対話劇です。穏やかな問答が、しだいに逃げ場のない追及へと変わっていきます。

『途上』の作者は誰?

谷崎潤一郎(1886〜1965年)です。

『途上』はいつ発表された?

初出は「改造」1920(大正9)年1月です。

原文(全文)はどこで読める?

著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。

漫画は何分で読める?

読切の30ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。

結末・名場面の解説ネタバレを含みます。漫画を読み終えてから開くのがおすすめです

探偵は何を突き止めた?

探偵の安藤は、湯河が先妻の筆子を危険な状況へ繰り返し近づけ、偶然を装って死に至らしめたのではないかと指摘します。湯河が別の女性を愛するようになった頃から、それは「外形が似ているだけ」ではなくなったのだ、と。追い詰められた湯河は、筆子の父が待つ事務所へと導かれます。

作者・谷崎潤一郎について

1886〜1965年

東京出身の小説家。美への執着を描く耽美的な作風で出発し、関西移住後は古典的な日本の美を追求しました。日本の近代文学を代表する作家の一人です。

主な作品:刺青、春琴抄、細雪、陰翳礼讃

谷崎潤一郎の漫画をすべて見る(3作品)

青空文庫・原作情報

原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。

確認済み
原作名
途上
著者名
谷崎潤一郎
底本
「文豪の探偵小説」集英社文庫、集英社
底本の親本
「谷崎潤一郎 犯罪小説集」集英社文庫、集英社
初出
「改造」1920(大正9)年1月
入力者
sogo
校正者
まつもこ
著作権・利用条件
青空文庫図書カード No.56849 で公開されている谷崎潤一郎「途上」を対象とし、同カードと添付テキストの底本・初出・入力・校正情報を照合しています。
漫画化に使用した版
青空文庫版「途上」を使用し、添付されたShift_JISテキストと青空文庫図書カード No.56849、同XHTML版を参照して30ページの単話漫画に再構成。
AI生成・編集方針
原作の対話構造と事件の順序を保ちながら、長い説明を現代の漫画で読みやすい短い台詞、無言の反応、物のクローズアップへ翻案し、生成AIで全ページの絵と文字を画像内に生成しています。
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