
雪渡り
宮沢賢治


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
六台の稲扱器械を回し、大勢の働き手を使う農場主オツベルの小屋へ、ある日、森から真っ白な象が迷い込みます。象の素直さと力に目をつけたオツベルは、親切そうな言葉で引き留め、時計や鎖を「いいもの」だと言って身につけさせます。働くことを喜んでいた象ですが、仕事は日ごとに重く、食べ物は少なくなっていきます。牛飼いの皮肉な語り、月齢とともに変わる象の表情、善意につけ込む言葉の怖さを、大きなコマと反復する小道具で読む寓話です。
原作は宮沢賢治が生前に発表した童話で、1926年1月の雑誌『月曜』創刊号が初出です。物語の国や年代は明示されていません。本漫画は、稲扱器械、琥珀のパイプ、鍛冶場、鉄筋入りの塀といった原文の要素から、1920年代の機械化農園を思わせる国籍不定の寓話空間として視覚化しました。
宮沢賢治の童話「オツベルと象」(1926年)の漫画版です。稲扱器械を回す農場主オツベルが、迷い込んだ白象をたくみな言葉で働かせ、次第に追い詰めていく寓話です。
結末には触れていません
善意につけ込む言葉の怖さと、力を持つ者による搾取を描いた寓話です。時計や鎖を「いいもの」として身につけさせる場面が印象的です。
「ある牛飼いがものがたる」という形で、牛飼いが話を語っています。結末の一文も語り手の言葉として読むことで、さまざまな解釈が生まれます。
宮沢賢治(1896〜1933年)です。
初出は雑誌『月曜』第1巻第1号(大正15年1月3日、表紙表記は1月1日)です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の30ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
日に日に仕事を増やされ、食べ物を減らされた白象は、月に「もう、さようなら、サンタマリア」とつぶやきます。月の勧めで仲間に手紙を書くと、象の群れが押し寄せてオツベルの屋敷を踏みつぶします。助け出された白象は「ああ、ありがとう。ほんとにぼくは助かったよ」とさびしく笑うのでした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。