
手袋を買いに 雪あかりの町へ
新美南吉


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
書店の倉で古いランプを見つけた東一は、祖父からその来歴を聞きます。祖父・巳之助は日露戦争の頃、身寄りのない十三歳の少年として暗い農村に暮らしていました。人力車の先綱で初めて大野の町へ出た日、ガラスのランプの明るさに心を奪われます。光を村へ届ける商いで自立し、読み書きまで学んだ巳之助の前に、やがてランプより新しい電気が現れます。自分を救った仕事を守りたい思いと、世の中の進歩を受け入れるべきだという信念が衝突する、光と仕事と誇りの物語です。
原作は新美南吉が1942(昭和17)年4月に書き、同年10月の第一童話集『おぢいさんのランプ』に収録されました。作中の回想は日露戦争期の岩滑新田に始まり、大野のランプ商いから電灯導入まで複数年を描きます。本漫画は知多半島の地理を踏まえ、回想前半を明治末期、外枠を昭和初期を想起させる視覚設定にしています。
新美南吉の童話「おじいさんのランプ」(1942年)の漫画版です。倉で古いランプを見つけた東一が、祖父・巳之助からランプ売りとして生きた若い日の話を聞きます。
結末には触れていません
巳之助の若い頃は日露戦争の頃とされ、暗かった農村にランプが広まり、やがて電気が引かれる時代の移り変わりが描かれます。
自分を救ってくれた仕事への誇りと、新しい時代を受け入れることの間で揺れる心です。「古いものにしがみつかない」生き方が問いかけられます。
新美南吉(1913〜1943年)です。
初出は童話集『おぢいさんのランプ』有光社、1942(昭和17)年10月10日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の28ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
村に電気が引かれることになり、巳之助は一度は恨みを抱きます。しかし考え直し、池のほとりの木に売れ残りのランプをともして並べ、石を投げて一つずつ割っていきます。「世の中は進んだ」と商売をやめた巳之助は本屋になり、古い仕事にしがみついて世の中を恨む人にはなりたくなかったと孫に語ります。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。