
入れ札 一枚の罪
菊池寛


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
戦国の摂津で名を轟かせる槍の武者・中村新兵衛。猩々緋の陣羽織と唐冠の兜は、敵に恐怖を、味方に安心を与える「鎗中村」の印となっていた。初陣を迎える若い主君の子から、その装束を貸してほしいと頼まれ、新兵衛は快く応じる。翌朝、同じ戦場に「赤い武者」と地味な黒い武者が現れたとき、人々の眼差しは二人の戦い方さえ変えていく。実力と評判、本人とイメージの境目を、鮮烈な赤と黒の対比で描く戦国心理劇。
原作は1920(大正9)年1月2日付『大阪毎日新聞』朝刊に発表された短編です。物語は筒井順慶の兵と争う摂津平野を舞台とするため、本漫画は16世紀後半の戦国末期を視覚設定としました。個別の戦闘を史実とは断定せず、原文の猩々緋、唐冠、黒皮縅、大身槍の対比を優先しています。
菊池寛が1920年に発表した短編「形」の漫画版です。猩々緋の陣羽織と唐冠の兜で敵に恐れられた槍の名手・中村新兵衛が、その装束を若い侍に貸したことで、思いがけない運命をたどります。中学校国語の教科書でも読まれている作品です。
結末には触れていません
猩々緋の陣羽織と唐冠の兜という、新兵衛を象徴する「外見・しるし」のことです。人の力と、その人を示す形(イメージ)の関係が作品の主題です。
猩々(しょうじょう)の血のように鮮やかな深紅色のことです。この赤い陣羽織が、敵に恐怖を、味方に安心を与える「槍中村」のしるしでした。
菊池寛(1888〜1948年)です。
初出は「大阪毎日新聞」朝刊、1920(大正9)年1月2日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の22ページで、約7分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
猩々緋をまとった若い侍は、敵が恐れて逃げるため華々しい手柄を立てます。一方、いつもと違う地味な黒い鎧姿で出た新兵衛には、敵が恐れずに向かってきます。思うように戦えないまま、新兵衛は敵の槍に脇腹を突かれ、「形」を貸したことを悔いながら倒れます。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。