
桜桃
太宰治


三十五年前。父の赴任で、私たち三人は島根の城下町へ来ました。
住まいは、町外れのお寺の離れでした。
この読切は全27ページ。続きは漫画ビューアで、スマートフォンでもそのまま読めます。
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結末に触れない紹介です
葉桜の季節になるたび、ひとりの老婦人は三十五年前の妹を思い出します。明治末、島根の城下町。余命を知らされず病床にいる十八歳の妹と、家を守る二十歳の姉。姉は緑のリボンで結ばれた秘密の手紙を見つけ、妹の青春を守ろうと小さな芝居を始めます。けれど一通の手紙をきっかけに、姉妹がそれぞれ胸に隠した孤独がほどけていきます。葉桜の庭、遠い砲声、夕方六時の口笛が重なる、切実で不思議な姉妹の物語です。
原作は太宰治が1939(昭和14)年6月号の『若草』に発表した短編です。物語の中心場面は日本海海戦が起きた1905(明治38)年5月、島根県の日本海沿いの城下町とされます。本漫画は明治末期の寺の離れ、着物、便箋、学校長の装いを基調にし、固有の町名は断定していません。
太宰治が1939年に発表した短編「葉桜と魔笛」の漫画版です。葉桜の季節になると思い出す、三十五年前の病床の妹と、秘密の手紙、夕方六時の口笛をめぐる姉の回想です。高校国語の教科書で読まれている作品です。
結末には触れていません
物語の終わりに聞こえてくる口笛のことです。モーツァルトのオペラ『魔笛』にも重ねられ、不思議な救いの象徴になっています。
明治末、日露戦争の頃の島根の城下町です。日本海海戦の遠い砲声が、姉妹の場面に重なって響きます。
太宰治(1909〜1948年)です。
初出は『若草』1939(昭和14)年6月号です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の27ページで、約9分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
妹の手紙の束は、実は寂しさから自分で自分宛てに書いていたものでした。姉が妹を慰めるために書いた偽の恋文に、「毎晩六時に口笛を吹く」と約束した通り、その夕方、葉桜の奥から口笛が聞こえます。妹は三日後に亡くなり、姉は口笛の主が父だったのかもしれないと思いながらも、神さまのお恵みだったと信じていたいと語ります。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。