
雪渡り
宮沢賢治


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
土曜の夕方、一郎のもとへ山猫から奇妙な招待状が届きます。翌朝、胸を躍らせて谷川沿いの道を進む一郎は、栗の木や滝、きのこ、りすから食い違う道案内を受け、やがて黄金色の草地へたどり着きます。そこで待っていたのは、威厳を装う山猫と風変わりな馬車別当、そして「誰が一番えらいか」を決めようと騒ぎ続ける大勢のどんぐりたち。自然のリズム、言葉の反復、子どもの柔らかな発想が一つの裁判へ集まっていく、可笑しくも鮮やかな幻想童話です。
原作は宮沢賢治の最初の童話集「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」に収められ、1924(大正13)年12月1日に刊行されました。物語の舞台は固有地名のない秋の山野です。本漫画では原文の植物や谷川、黄金の草地を手がかりに、大正期の岩手山間を思わせる服装と風景で視覚化しています。
宮沢賢治の生前唯一の童話集『注文の多い料理店』(1924年)に収められた「どんぐりと山猫」の漫画版です。山猫から奇妙な裁判への招待状を受け取った少年・一郎が、「誰が一番えらいか」で争うどんぐりたちの裁判に立ち会います。
結末には触れていません
「かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。」という、誤字まじりのはがきです。
栗の木や滝、きのこ、りすからの食い違う道案内、黄金色の草地での騒がしい裁判など、言葉の反復と自然のリズムが生む可笑しさです。
宮沢賢治(1896〜1933年)です。
初出は「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」盛岡市杜陵出版部・東京光原社、1924(大正13)年12月1日です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の26ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
一郎は「このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらい」という判決を山猫に勧め、どんぐりたちは黙り込みます。お礼に黄金のどんぐりをもらった一郎ですが、家に着くと普通の茶色のどんぐりに変わっていました。その後、山猫からの手紙は二度と来ませんでした。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。