
指環
江戸川乱歩


STORY GUIDE
結末に触れない紹介です
蒸し暑い九月の夜、白梅軒で向かいの古本屋を眺めていた「私」は、格子戸の向こうの異変に気づきます。店内で起きた死をめぐり、現場に現れた明智小五郎と私は、目撃した色、人物の癖、店の配置を一つずつ確かめます。怪しく見える者が犯人なのか、それとも見る側の思い込みが事件を作っているのか。心理と観察が競う探偵譚です。
原作は大正から昭和初期の都市文化を背景にした江戸川乱歩の作品です。新しい住居、光学器械、新聞、鉄道など当時の近代性が怪奇と犯罪へ反転する感覚を漫画で再現しています。明智小五郎の初登場作として知られ、古本屋街の生活感と当時の犯罪心理学への関心が結びついています。
江戸川乱歩が1925年に発表した短編「D坂の殺人事件」の漫画版です。名探偵・明智小五郎が初めて登場する作品で、D坂の古本屋で起きた密室のような殺人事件を、語り手と明智が推理します。
結末には触れていません
東京・本郷の団子坂がモデルとされています。乱歩自身が古本屋を営んでいた場所でもあります。
目撃者の証言のあいまいさや、格子戸越しに見えた人物の着物の色など、人間の知覚の不確かさを手掛かりにした推理です。
江戸川乱歩(1894〜1965年)です。
初出は「新青年」博文館、1925(大正14)年1月増刊です。
著作権の保護期間が満了した作品で、青空文庫で原文を無料で読めます。このページの「青空文庫・原作情報」から図書カードへ移動できます。漫画は原作をもとにした翻案のため、台詞や構成が原文と異なる部分があります。
読切の25ページで、約8分が目安です(1ページ18秒で計算)。登録不要で無料で読めます。
語り手は明智こそが犯人だと推理しますが、明智はそれを論理的に退けます。真相は、隣の蕎麦屋・旭屋の主人と古本屋の細君の秘めた関係の中で起きた事件で、殺意によるものではありませんでした。旭屋の主人は自首します。
原文・底本・校正情報を作品ごとに記録します。